前世へのレジスタンス
さっきの甘い空気はどこへやら、せっかく学校へ早く着いたのに、
これじゃ遅刻ギリギリみたい…

繋がれた手は教室が近づくにつれ、自然と離れた。
彼なりに立場をわきまえているんだと、少し感心しつつ、少し寂しくなった。


「おー、カナとヒロト、遅いなんて珍しいな」
「おはようございます!カナちゃん、ヒロトくん!」


教室でセイとエリナちゃんが仲良く談笑していた。
セイの様子はいつも通りで私はほっとした。


また一日が始まる。



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