前世へのレジスタンス
「…っ!あ、バイト!」
「あ、起きた」
「セイ!?エリナちゃんも!?」

目を開け、少し右を見た瞬間に入ってきたのはセイとエリナちゃんの顔だった。
私はその場で飛び起き、ここが保健室だということを理解した。

「あ、金井くんならお仕事に行ってしまいました」
「お前運んだのあいつ。」

私はあの時…
それより…


「セイ」
「何?」

「なんで今日、わざと私たちと離れるようなことするの?」

エリナちゃんと2人でセイの顔をじっと見る。
観念したのか、はぁ…とため息をついたあと、少し恥じらいながら顔を少し赤めて口を開いた。

「付き合ったら、逆に照れくさくて…」
「もう!そんな理由だったんだね♡」

あー
なんか人のイチャイチャしてるの見させられてる。
一応こっちはさっきまで保健室のベッドで寝ていたんだけど!?

まぁこんなセイの表情見たことがなかったから、いいか。


「バイトならタカコさんが連絡してくれて、休めるようになってるから気にするな」
「ありがとう…」

3人で話していると、ガラッと扉が開く音がして保健室の先生が中へと入ってきた。

「良かった。…疲れ気味だったのかしら?」
「あぁ、まぁ…はい」

先生は「頑張りすぎないでね」と一言いうと、あとはごゆっくりと保健室を出ていった。
あんなイチャイチャな現場をみたら、流石の先生も気を使ってくれたのだろう。
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