前世へのレジスタンス

「帰ろうか。もう部活の時間も過ぎてるんだ」

時計を見ると時計の針は午後7時半を指している。
あたりはすっかり暗い。

「ごめん、2人とも遅くまで。」
「いいんだよ！帰りましょう、カナちゃん」
「うん。」

あの時聞こえた声は一体何だったんだろう。
しかも聞き覚えのある声だったように感じる。
私は誰かと別れなければいけないのだろうか。


(え…もしかして……)


まさか、金井くんと…？

胸がドキドキしているのは、金井くんになのか、それとも何かへの恐怖なのか、よく分からない感情のまま、私は2人と家へ帰った。



家に着いてすぐ、私は金井くんに連絡したかったけどスマホには連絡先が無い。

(そうだ、連絡先知らないんだった。)

今まで連絡先を知らずに来ていたんだ。
ただ連絡先を交換する、それだけなのに…

そんなことすら私は出来ていなかったんだと、少し気が落ち込んだ。


～♪


スマホが鳴っている。
セイだ。


私はテーブルの上に置きっぱなしだったスマホをぱっと手に取り電話に出た。
私に電話をしてくるのは緊急連絡先用に登録してあるセイくらいだ。

「もしも…」
「今から金井の番号言うからメモれ、」