前世へのレジスタンス

「カナちゃん！？少し休む？」
「うん。」

この数日、私の体調がおかしい。
今まで幻聴のような、幻覚のようなことなんて聴いたことも見たこともなかったのに、時々それが起こる。

少し休むと呼吸は元通りになって、さっきの状態は何だったのかと思うくらい元気になる。

「カナ、マジでやべぇ時は俺に連絡しろ。タカコさんと家に様子見に行ってやるから。必要なら少しの期間施設に戻っても問題ないだろ。」
「ごめんね、セイ。」
「自販機にあったのでこれ飲んで！カナちゃん！」

エリナちゃんは少し離れた自販機でスポーツドリンクを買ってきてくれた。
私はよろよろと立ち上がり、冷えたペットボトルを受け取った。

「あ、お金」
「気にしないで！飲んで！」
「はい！」

エリナちゃんはいつも以上に高めの声で私に勢いよく言う。
その勢いに負けるように私はペットボトルを開け、スポーツドリンクを飲んだ。


これってもしかして、金井くんと関係があったりするのかな。
私の前世なのか未来なのか知らないけど、何か知っていそう。

私は目の前で心配そうに私の顔を見る2人をぼーっと見つめた。


(この2人には、言って、いいのかな…)