前世へのレジスタンス
次の日。
高校生活最後の1年が始まる。
バイト疲れが溜まっていて、寝ても寝てもクタクタな体をゆっくりと起き上がらせ、軽くメイクをする。
ストレートアイロンの温度を上げ、温まるのを待ちつつ着慣れたブレザーに袖を通す。
姿見で全身をチェックする。
いつもと変わらない。普通だ。
ワイヤレスイヤホンを耳につけ、人気曲ランキングのプレイリストを再生する。
特に何が聴きたいって訳じゃなかった。
~♪
(綺麗な、声……)
イヤホン越しにうっすら聴こえた。
誰かの声がした。
私は右耳のイヤホンだけを外し、辺りを見渡す。
(綺麗……)
この通学路沿いには海があった。
いつも脇目も振らず、どちらかというと下を向きながら歩いているから気にも止めていなかった。
目の前に広がる海と砂浜。
もう2年もほぼ毎日この道を通っていたというのに、この景色がこんなに美しいものだと、
それだけが私が綺麗だと感じた理由ではなかった。
高校生活最後の1年が始まる。
バイト疲れが溜まっていて、寝ても寝てもクタクタな体をゆっくりと起き上がらせ、軽くメイクをする。
ストレートアイロンの温度を上げ、温まるのを待ちつつ着慣れたブレザーに袖を通す。
姿見で全身をチェックする。
いつもと変わらない。普通だ。
ワイヤレスイヤホンを耳につけ、人気曲ランキングのプレイリストを再生する。
特に何が聴きたいって訳じゃなかった。
~♪
(綺麗な、声……)
イヤホン越しにうっすら聴こえた。
誰かの声がした。
私は右耳のイヤホンだけを外し、辺りを見渡す。
(綺麗……)
この通学路沿いには海があった。
いつも脇目も振らず、どちらかというと下を向きながら歩いているから気にも止めていなかった。
目の前に広がる海と砂浜。
もう2年もほぼ毎日この道を通っていたというのに、この景色がこんなに美しいものだと、
それだけが私が綺麗だと感じた理由ではなかった。