前世へのレジスタンス
6
上り列車の混み具合は尋常ない。
しかも夏休み。
私は金井くんが乗り換えが何番線かまで書いてくれたスマホメモを見ながら電車へ乗っていく。
少し経つと景色から見慣れた海は無くなり、住宅街を越え、ビルだらけの風景になっていた。
たまに車窓から見える建物がテレビなどで見たことがあるもので、本当に実在するんだ、と子供みたいに感動していた。
駅のホームへ降りると、音がザワザワしていて落ち着かない気持ちになった。
こんなに人がたくさん…
そのまま人の流れに沿うように教えてもらった出口へと向かった。
電車の車両もっと手前だったら出口近かったんだな、と思いながら少し長い駅の構内を歩いていく。
人混みの中で見慣れた、背の高いシルエットが視界に入る。
髪の毛を染めたみたいだけど、あれは絶対…
ゆっくりと歩いていたスピードが次第に早くなる。
私の気配を察知したかのように、そのシルエットは私の方へとくるりと方向を変えた。
マスクとサングラスをしているけど、その隙間から少し見えた、目が笑ってる。
今まで他人に興味なんてなかったのに、こんな些細なことで人の見分けがつくようになるなんて自分でもびっくりだ。
しかも夏休み。
私は金井くんが乗り換えが何番線かまで書いてくれたスマホメモを見ながら電車へ乗っていく。
少し経つと景色から見慣れた海は無くなり、住宅街を越え、ビルだらけの風景になっていた。
たまに車窓から見える建物がテレビなどで見たことがあるもので、本当に実在するんだ、と子供みたいに感動していた。
駅のホームへ降りると、音がザワザワしていて落ち着かない気持ちになった。
こんなに人がたくさん…
そのまま人の流れに沿うように教えてもらった出口へと向かった。
電車の車両もっと手前だったら出口近かったんだな、と思いながら少し長い駅の構内を歩いていく。
人混みの中で見慣れた、背の高いシルエットが視界に入る。
髪の毛を染めたみたいだけど、あれは絶対…
ゆっくりと歩いていたスピードが次第に早くなる。
私の気配を察知したかのように、そのシルエットは私の方へとくるりと方向を変えた。
マスクとサングラスをしているけど、その隙間から少し見えた、目が笑ってる。
今まで他人に興味なんてなかったのに、こんな些細なことで人の見分けがつくようになるなんて自分でもびっくりだ。