前世へのレジスタンス
話が弾んで、その後は少し駅近に戻って色々なお店を回った。
ファッションに無頓着すぎて、この際だからと何着か私にはオシャレすぎるような気がする服を選んでもらった。
正直似合うか分からないけど、金井くんが進めてくれたから着ることにしよう。(何故かいつの間にかお会計が終わっていた。申し訳ない…)

大きなCDショップにも行った。
誰だかは気づかれてなかったけど、マスクとサングラス越しにもオーラは漂っていたのか、何人か同い年くらいの女子がひっそりと『かっこいい!』と言っていたのを私は聞き逃さなかった。
当のご本人は全くそれが聞こえていなく、むしろ私の手を繋いできたり、少しは周りを見ては?とは思ったりした。
壁に貼ってあったポスターの中にいる金井くんは、確かに今、隣にいる金井くんだけどなんだか別人みたい。
目元がよりキリッとしてるから、メイクしてるのかな…




あっという間に辺りは暗くなっていた。
厳密に言うと、空だけが暗い。
私の目線の高さはこの時間でも明るいまま。
街中のネオンが、眩い光を放っている。

明日もバイト。
そろそろ帰らなきゃ…

そう思っていた時、金井くんが「もう1つ行きたい場所がある」と言ったので、私は言われるがままついて行った。
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