前世へのレジスタンス

「お久しぶり、カナちゃん。」
「あ、久しぶり。」

エリナちゃんがくるっと後ろを振り返り私ににっこりしてくる。
私はそのエリナちゃんの顔に唖然としてしまった。

メイクはなんだか今でいうメンヘラみたいな地雷系みたいな感じになっている。元が良いからメイクが映えてはいるけど…
髪の毛も今までないくらいしっかり巻かれている。
そして耳上でハーフツインをしている。

確かに可愛いんだけど、豹変ぶりには流石にみんな驚いていた。
口々に『青沢の影響だろ』『不良が写った』など、二人の関係性を悪く言っているのが、小声であろうと丸聞こえだった。

セイはいつも通り。
私の方は見向きもしなかった。


「セイ、おはよう。」
「…はよ。」


私はあんなことはあったけど、せめて学校でだけは今まで通り普通にしていたいのに…
素っ気ない…。


「ほ~ら、セイ!ちゃんと挨拶しなきゃダメだよ!?」
「はいはい。」

あれ、今まで名前で呼んでたっけ?
2人が目の前で繰り広げる会話に、名前呼びだけではなくただならぬ、嫌な予感がする違和感を感じてしまった。

私がそんなことを考えていると、”国民の王子”が登校してきた。


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