前世へのレジスタンス
「3人とも、おはよう。」
「金井くん、おはよ!」
「おはよう…」
「はよ。」

三者三様。
異様な雰囲気を察してか、流石の金井くんもこれ以上何も話さず私の後ろの席に座った。

HRが始まって、提出物などを出したり、先生の長ったらしい話を聞いていたら午前放課だからあっという間に新学期初日は終わった。

休憩時間は目の前でエリナちゃんとセイが(厳密にはエリナちゃんがほぼ一方的)イチャイチャしてるのを見させられるのはなんだか見苦しくて、イヤホンをつけて寝たフリをしていた。


私だって…


金井くんと堂々と、ここまではいかなくていいけど、普通に話したり、…したい。
なにか変な勘ぐりをクラスの人たちにされたくないし、今の関係がバレてしまったら学校どころの話じゃない。
これから困るのは金井くんなんだ。

思わずため息が出る。


その時後ろから私の肩を誰かからツンツンとされた。
まぁ分かっている。
私は後ろを振り返る。

「バイトまで暇?」
「あ…うん。」

あまりにもナチュラルすぎる。
このアイドルがクラスにいる日常があたり前になってしまって、今更誰と話そうか囃し立てる人もいない。


「少し、海行こうよ」
「うん。」
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