孤独な心
それから私は、制服に着替え身支度を整えてから千紘先生と一緒に学校へ向かった。


車で揺られること30分、学校に着いた。


「汐帆、少しでも体調が悪くなったらすぐに保健室に行くんだからな。

咲月と、汐帆の担任には俺から伝えておいたから。」


「えっ?咲月って…誰?

いやいや、担任にって…」


「そういえば汐帆にはまだ言ってなかったな。

保健室の養護教諭。佐々木咲月は俺の妹なんだ。

それに。体調が悪くても汐帆は最後まで我慢しそうだったからな…

担任にも体調悪そうにしてたり、発作が起きたら保健室に連れて行ってもらうように言っておいた。」


「そう…だったんだ…」



「じゃあ、また授業終わったら連絡してね。

それから何かあったらすぐに連絡。約束な。」


「…はい。」



今まで、誰かにここまで自分のことを支配されることが嫌だったはずなのに…


千紘先生が私ことを考えて話してくれたことが素直に嬉しかった。



「汐帆!おはよう。」


「琴音。おはよう。」


私に声をかけたのは同じクラスの琴音。


友達というか、勝手に懐かれてるというか。


好かれることは特にしていないのにいつの間にか私と一緒に過ごしている。



教室に着くと、私の机を取り囲むように女子が待ち構えていた。


「…何?」


いつもとは無縁のこの光景。


「汐帆ちゃん。さっきの人って…もしかして」


「は?」


「ほら、さっき佐々木先生の車に乗ってたでしょ!」


何事かと思ったら…


そんなこと?


「だったら何?」


朝からめんどくさい…


それに、この騒がしい声は本当に苦手だ…


早くこの場から離れたくて冷たくあしらっていると…


「っていうか、汐帆さんと佐々木先生は付き合ってるの!?」


「は?そんなわけないでしょ!

っていうか、さっきから何なの!いい加減に…」
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