〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
俺の欲しいモノは、千香子さんとの幸せ
「―――――うーん…うーん…」

ジュエリーショップで、一人唸っている千香子。
虎徹の誕生日が近いため、プレゼントを買いに来ていた。

ピアスを贈ろうと思い、どれにしようか悩んでいる最中だ。

「うん!
やっぱ、これだな!」
虎のモチーフの、シンプルなピアス。
これなら、仕事中もつけてくれるだろう。

購入して、今度は職場であるショップに向かった。


中をキョロキョロして、千景を見つける。
「フジチカくん!」

「ん?モリチカ?
お疲れ!」

「あ、あのね!
大切な話があるの!
もうすぐ、あがりだよね?
付き合って!」

「お、おぅ…」

いつになく、真剣な表情(かお)の千香子。
千景は、気圧されたように頷いた。



千景が煙草を吸いたいとのことで、ショッピングモールを出た。

「んで?何だよ。
虎と喧嘩したとか?」

「ううん。
聞きたいことがあって!」

「あぁ、だから何?」

「もうすぐね、虎徹くんの誕生日なの」

「へぇー」

「でね?
付き合って、初めての誕生日でしょ?
特別なことをしてあげたくて!
もし、フジチカくんが虎徹くんだったら、何されたら嬉しいかな?」

「うーん…」

「フジチカくんが、TPOがなくて、サカりのついた男性だったら……」

「プッ…!
お前、軽くデスってね?(笑)
まぁ、虎徹はまさにそんな男だが(笑)
そうだなぁ〜
とにかく、二人っきりでいたいかな?」

「そっか!」

「旅行とかは?
金はかかるが、露天風呂付きの部屋で、部屋で飯が食えるとこ!
そんなとこなら、ずっと二人っきりでいれる!
…………年に一度のことだし、こうゆうのも良くね?
あ!それこそ……」

千景がスマホを操作する。
そして、画面を見せてきた。

「ほれ、ここ!」

「ん?
わぁー!素敵な旅館ね!」

「ここさ、全部屋離れなんだ。
もちろん全部露天風呂付きで、部屋食。
離れだから、周りの目も気にならない。
完全に、二人っきりになれる!」

「素敵〜」

「情報シェアするから、検討してみろよ?」

「ありがとう!」
(でも……値段も、素敵な値段…(笑))

「費用はエグいが、いい思い出にはなると思うぞ?
それに、特別だろ?」

「うん!」  


「―――――でも、モリチカ。
大切なのは、お前が幸せだってことだからな?」
良い情報を得て、満面の笑みでお礼を言った千香子。
そんな千香子に、千景が見据えて言った。

「え?」

「本当の嬉しいプレゼントは、好きな女の幸せそうな表情(かお)だ。
男ってのは、そんなもんだから」

と―――――――
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