〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「………ごめんね!
つい、寝ちゃった…」
「ううん!
俺のために、ここんとこずーっと色々考えてくれてただろ?」

「え?」
「ここ一週間くらい、夜中に色々計画立ててただろ?」

「し、知ってたの!?」
「うん。
夜中目が覚めたら、腕の中に千香子さんいないんだもん。
でも、知らないフリした方がいいかなと思って」

「そ、そうだったんだ…」
(バレてた…
いやいや…まだ、旅館のことはバレてないし!
まだ、驚かせることができ………)

「あ!そうだ!
この先にさ。
スッゲー旅館あるの知ってる?」

「へ?」

「全部屋離れで、露天風呂付き。
飯もチョー旨いらし…………え?千香子…さん?」

ピタリと立ち止まり、固まる千香子。

「………」
(知ってんのー?!)

「え……
まさか……
今、向かってる所って――――――」


「――――森浦様ですね!
お待ちしておりました。
こちらが、お部屋の鍵です!
当旅館は、お客様に特別な時間を過ごして頂くお手伝いをさせていただくのをモットーとしてます。
お部屋にはベッドルームがありますが、もしお布団でお休みになられる場合は、お手数ですがお客様の方でお敷きになられてください」
旅館に着き、部屋に向かう。

「千香子さん、ごめんね!
なんか、俺……」
(空気読めよ、俺!!)

「ううん!
大丈夫!
それにしても、スッゴイ部屋だね〜!」
(さすが、お値段も素敵なわけだ(笑))

和洋室の、広々とした部屋だ。

「うん。
露天風呂も、デカいな。
でもここ、高かったろ?」

「あ…うん、まぁ…
でも!付き合って初めての誕生日のお祝いだから!
奮発させて?
私は、出すべきところには惜しまないんだよ?(笑)」

「うん、ありがと!
じゃあ…満喫させてもらう!(笑)」

日々の生活では、一円単位で節約している千香子。
しかし、虎徹に関しては全く惜しまない。

きっと…この部屋も、一番良い部屋なのだろう。

スゲー、愛おしい………!

「……………千香子さん」

「んー?」

「スゲー好き」

言葉では、足りないくらいに………!

「フフ…私も〜!」

「千香子さん。
俺はさ。
千香子さんがずっと傍にいて、隣で笑って、幸せでいてくれたら、それだけで十分だから。
それだけで、俺は幸せ!」

「うん!」
微笑み見上げた。


しかし……虎徹に微笑みながらも、千香子は落ち込んでいた。
(はぁ…サプライズが……)

「………」

「………」

「千香子さーん…」
元気のない千香子の顔を覗き込む、虎徹。

「………」
(いやいや、サプライズはもう…諦めよう!
せっかくの誕生日のお祝いだもん!
楽しまなきゃ!)

千香子は思い直し、バッグから手帳を取り出した。
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