〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「虎徹くん、少し出ない?」
「ん?いいよ!」

微笑んだ千香子に、虎徹も安心したように微笑み頷く。

「えーと…
少し行った所に、美味しい抹茶モンブランが食べれる所があるみたいなの!
あと、和菓子が美味しい店もあるし、あ!そこの丸ボーロが有名なんだって!
それに――――――」

手帳を見ながら、虎徹に言った千香子。
手帳には、調べたであろう店の名前や住所、この旅館の情報などが細かく書かれていた。 

「………」
(これ全部、今日のために調べてくれたんだろうな……!)


「虎徹くん?
……………あ…やっぱり…部屋でラブラブがいいかな?」
虎徹の服を握り、窺うように見上げ言う千香子。

「あ、ううん!
せっかく千香子さんが調べてくれたんだし、全部行く!
ラブラブは、夜にいっぱいする!」

「了解しました!(笑)
よし!
出かけよう!」
嬉しそうに笑って、敬礼した千香子。

「………プッ…」
(敬礼…(笑))
虎徹も嬉しそうに笑った。


指を絡めて手を繋ぎ、旅館を出てゆっくり歩く。
千香子は、手帳を片手に持っている。

「ところでさ」
「ん?」

「どうやって調べたの?
旅館とか、店とか」
(千香子さん、今どきネット検索出来ねぇもんなぁー(笑)
よくそれで、生きてこれたよなー(笑))

「旅館は、フジチカくんが情報を送ってくれたよ!
お店は、旅行雑誌!」

「そうゆうこと!」
(やっぱ、ネットで検索したんじゃねぇんだ(笑))

「あー!!」

「何!?」

「今、ネット検索も出来ないおバカさんって思ったでしょ!!?」

「はい?
バカなんて思ってねぇよ!」

「ネット検索は、出来るんだからね!」

「そ、そうなんだ」

「保存が出来ないだけ!」

「………フフッ…」
(そこ、威張るとこかよ!(笑))
思わず、噴き出す。

「あー!またバカにしたー!」

「してねぇって!(笑)
でも、大変だったんじゃね?
雑誌を何冊も見て」

「うーん…
その時間も楽しかったから、平気!」

「え?」

「“虎徹くん、どんな所が喜ぶかな?”って考えながらだから!
ほら!
プレゼント選ぶ時って、ワクワクしない?
相手が喜ぶ顔を想像しながら選ぶでしょ?」

ニコニコして見上げる、千香子。
虎徹は、幸せな気持ちになっていた。

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