〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
抱きたい
同棲開始から、十日が経った。
今日は、虎徹の入社日だ。

虎徹は毎日、千香子を抱き締めて眠っている。

しかし朝起きると、たいがい千香子は腕の中にいない。
ゆっくり起き上がり、伸びをする。

「んーーー!!」
サイドテーブルに置いているスマホを見る。

「六時…
つか、千香子さんっていつも何時に起きてんの?(笑)」


クスクス笑いながら、部屋を出た。

洗面などを済ませ、キッチンに向かうと千香子が朝食を作っていた。

フフ…と微笑んで、後ろから抱き締めた。
「おはよ。千香子さん!」

「わっ…!
おはよう!」
振り向いて微笑む千香子。

「ん〜」
頬を擦り寄せてくる虎徹に、愛しさが増す。

「フフ…顔、洗った?」

「うん、洗ったぁ」

「じゃあ…座ってて。
もうすぐ出来るよ!」

「えー、もうちょい、くっちゅきたーい」

「……/////」
(こ、子どもか!
でも…でも…可愛い…//////)

甘えてくる虎徹がとにかく可愛くて、愛しい。


「―――――今日からだね!新社会人さん!」

ダイニングテーブルがないので、カーペットに並んで座りローテーブルで食事をしている二人。
美味しそうに食べる虎徹を見ながら言った。

「うん」

「緊張するよね?」

「んー、全然」

「へ?そうなの!?
私なんか、ド緊張だったよ?」

「フフ…ぽいね!(笑)」

「あー、バカにしてるー!」

「フフ…そんなことないよ?(笑)」

「酷いなぁ〜(笑)」

「ほら、基本的には自由な会社だし!」

「でも、ノルマが厳しいんでしょ?
私、ITって全然!わかんないんだけど…」

「まぁ…仕事だし、大変なのはわかってる。
でも、千香子さんが傍にいるから頑張れる!
帰ったら、癒やしてね!」

「フフ…もちろん!」

一緒に片付けて、準備をする。
「千香子さん、煙草吸っていい?」

「どうぞ〜」
千香子が準備をして戻ると、虎徹が断ってきた。
換気扇の下で煙草を吸い始める、虎徹。

「虎徹くん」

「んー?」

「いちいち私に断らなくて大丈夫だよ?」

「んー、でも…やっぱ、ね?」

「いいのに…」

「俺も聞いていい?」

「ん?」

「そこにある灰皿、誰の?」
テレビ台に置いてある、灰皿を指差した。


「あー、友達のだよ!」
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