〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「―――――でも、同棲か……
意外だな(笑)」
そんな中、城中が呟くように笑った。

「ん?」

「虎徹、千香子さんと再会したらすぐにでも結婚すんだと思ってた」

「あ、あー
俺的には、今すぐにでもしてぇよ?でも…」

「「「でも?」」」

「自信がない」

「「自信?」」
「自信って?」

「千香子さん、俺にあんま甘えないんだ。
年上とか気にしてんのか知らねぇが、俺を引っ張ってこうとする。
俺、頼りねぇのかなって…」

「うーん…
でも、大学ん時。
ボロボロだった千香子さんを支えてきたのは、間違いなく虎徹だろ?」
「俺から見ても、そんな感じしねぇけどな!
“虎徹くんは自慢の彼氏”っつってるよ?」

城中と長谷が順に言う。

「………」
そんな中、青代は黙って虎徹を見ていた。


『虎徹くんって、スパダリなんだよ〜!』
不意に、千香子の言葉が青代の頭に響いてきた。

『あんな凄い企業に就職して、家事も出来る。
優しいし、何もしても器用だし、何より!カッコいい!!
私、必死に背伸びしてるんだ〜!』

たまに、千香子とランチを一緒している青代。
その時に話すことといえば、いつも虎徹のことだ。
千香子には、虎徹の話題しかないのかと思える程に。

「………」
(贅沢な悩みだし。
つかノロケだろ、こんなの)

嫉妬心が顔を出し、青代はビールをグイッと飲み干した。

「アオテツどうした?」
隣で、城中が顔を覗き込んでいた。

「……っえ?あ、いえ!
ビールおかわりしよっと!
あと!俺、つくね食べたいです!
頼んでいいですか?」
話をかえるように、微笑み言った。


その後も、千香子の話や学生の頃の話をして……
そろそろ出ようということになった。

「なぁ、もう一軒行こ?」
「は?俺は帰る」
シロの言葉に、虎徹が答える。

時計を確認すると、まだ21時を回ったばかりだ。
(この時間なら、まだ千香子さん起きてるし!
ぜってぇー帰る!)

「えー、コテ良いじゃん!
飲もうぜ!」
「そうですよ!」
長谷と青代も催促する。

「やだ」

「“やだ”って…(笑)
久しぶりなんだしよー
――――――あ!そうだ!
だったら、虎徹ん家は?」


「…………は?」
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