〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
虎徹&千香子宅のある、マンション前。

虎徹、長谷、青代、城中が立っている。

「………」
(千香子さんのバカ!
察しろ!)

あの後、散々揉めた虎徹達。

嫌がる虎徹と、譲らない長谷達三人。
結局“千香子さんに聞いてみよう”と言う結論になった。

“千香子さんが断ってきたら、おとなしく引き下がる”と言う長谷達に、虎徹はスピーカーで電話をかけた。

『――――え?家で?
うん!もちろん、いいよ!』

迷うことなく、こんな返事がかえってきたのだ。


マンションに入り、エレベーターに乗る。
虎徹がはぁ…とため息をついた。

「原藤さん、そんなに嫌なの?」
「そんなに、い、や!!
だから帰れ!」

「コテって、そんな独占欲強かったっけ?」
「千香子さんに関してだけ」

「でも“千香子さんが”いいよっつったんだし」
「うっせぇなぁ!!
わかってるっつうの!!」

青代、長谷、城中の言葉に、声を荒らげて答えていた。


玄関ドア前で、またため息をつき鍵を開けた虎徹。
「ただいまぁ…」
「「「お邪魔しまーす!」」」

声をかけながら中に入る。
千香子はキッチンにいた。

「あ!おかえり!
ちょうど良かった!」
虎徹を見上げ、微笑む。

そんな千香子に青代は、見惚れていた。
「……/////」
(わ…可愛い…//////
いいなぁ、俺にはあんなふうに笑わないもんな…
……って、当たり前か!)

「え?
千香子さん、どうした?」
千香子はマスクをしていた。

「へ?」

「もしかして!!風邪ひいたんじゃ…」
慌てたように千香子の頬に触れ、額に触れた虎徹。

「はい?
あー、これ(マスク)
違うよ、元気だよ!」

「じゃあ、なんで!?」

「あ、それは……
す、すっぴんなの…私」

「…………は?」
フリーズする、虎徹。 

「だ、だって…お風呂入っちゃってたし、お化粧する時間なくて、でもすっぴん見せるわけにはいかないし…
せめて、マスクを……」
ゴニョゴニョと言う。

「な、なんだ…良かった…
つか!だったら、断れよ!」

「へ?でも、せっかくだし…」
そう言って、長谷達に「どうぞ?」と微笑んだ。


「これ、千香子さんが?」
テーブルの上には、簡単なつまみが置かれていた。
「簡単なものだけど……
良かったら!
あ!無理して食べなくてもいいですからね!
残ったら、明日私が食べますから!」

「ごめんね、千香子さん。そこまでさせて……」
「なんか、すみません。モリチカさん」
「ありがとうございます!」
「旨そう〜」

虎徹達が席についた。
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