〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
その頃、虎徹は……

宴会が催されていて、かなり盛り上がっていた。
そんな中虎徹は、スマホを握りしめていた。

「―――――電話、してくれば?」
隣りに座っている行橋が耳打ちする。

「あ…」
(そりゃあ、今すぐしてぇよ!
でも……)

しかし、虎徹は女性社員に囲まれていて身動きが取れずにいた。

「原藤くん、写真撮ろう?」
「もう、勝手に撮ったりしないからー」

「嫌です」

「フフ…相変わらず、塩対応ね(笑)」
「塩どころか、もう辛さを感じる(笑)」
「唐辛子対応?(笑)」

「フフ…何それ〜(笑)」
ケラケラと、女性社員達が笑っている。

「………」
(全然!面白くねぇし…
あー、千香子さんに会いたいぃー!!
ギューしてぇ!
キスしてぇ!
ヤりてぇー!!)

「おい、虎徹!
お前、飲んでねぇじゃん!
飲めよ!!」
そこに糸岩が来る。

「は?飲んでるし。
これ以上は、眠くなる」

「良いじゃん!飲み明かそうぜ!
この大広間で寝てもいいんだし」

「は?俺はちゃんと風呂に入って、布団で寝たい!」

「お前、どうせ露天風呂入れねぇじゃん!」

「は?」

「飲めよ〜」

「アルハラには屈指ねぇよ」

「は?
フッ…お前にハラスメント出来る奴いねぇだろ(笑)」

「うっせぇー」

「何?やんの?」

「は?腕相撲はやだ!」

「飲めよぉー
他の奴だと、ほんとハラスメントになるんだよー」

「はぁ…
しゃーねぇなぁ…」
糸岩のついだビールを飲み干すのだった。


しばらくして………
静かになった大広間。

虎徹達が眠っている。
雑魚寝をしている社員。

そんな中。
虎徹は、壁に寄り掛かりうたた寝をしていた。

静かに、一人の女性社員が虎徹に近づく。

クリタだ。
「綺麗な顔…/////」

クリタは一度、虎徹に告白してフられている。
未練があるわけではない。
BBQの時千香子に会って“敵わない”と思ったし、諦めもついている。

でも、もっと近づきたいと思っていた。

虎徹を起こさないように、隣りに座ったクリタ。
虎徹を横から見上げる。

見惚れていると、虎徹が「んん…」と身じろいだ。

ハッとして、距離を置くクリタ。
しかし虎徹は起きた様子はなく「あちぃ…」と寝言を言い、浴衣の衿を広げた。

浴衣がはだけ、首周りが大きく開く。
胸元のタトゥーが見え、なんだか色っぽい。

クリタは、更に見惚れドキドキしていた。
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