〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「――――言えばいいじゃん!
“抱いて”って!」

天胡とランチ中。
この悶々とした気持ちを相談すると、天胡があっけらかんとして言った。

「それが言えないから、悩んでるの!」

「なんで?」

「恥ずかしい…/////」

「でも、虎は喜ぶんじゃない?
千香子にそんなこと言われたら」

「……/////」

「でも、自然なことじゃない?
目の前に好きな人がいたら、触りたいとか、キスしたいとか思わない?」

「うん、そうだね」

「それをそのまま、ぶつけるのよ!」

「え?」

「だから!
言葉で言えないなら、そのまま態度で示したら?ってこと!」

「態度か……
―――――――」


その日の夜。
今日も虎徹は残業で、千香子は先にベッドに横になっていた。

いつものように、虎徹が帰ってきて静かにベッドに近づき、ベッド脇に腰掛けた。

虎徹がそこにいるだけで、なんだか…愛しい。

「千香子さん…ただいま…」
虎徹が、千香子の頬にキスを落とす。
ゆっくり目を開けた、千香子。

「おかえり」

「あ…ごめん、起こした?
フフ…ただいま!」
また虎徹の顔が近づき、千香子も自然と目を瞑る。
口唇が重なって、チュッとリップ音をさせる。

千香子は、口唇を離そうとする虎徹を追いかけるように口唇をくっつけた。

“態度で示す”

千香子は、悶々とした気持ちをぶつけるように虎徹にキスをした。

「んんっ!!?」
これには虎徹も驚き、目を見開く。
でもすぐに、答えてくれた。

しばらく貪り合って、漸く離れた。
「………ん…はぁ…」
「……んぁ…どうしたの?」

「え?」
「なんか……千香子さんらしくねぇし…』

「そう?」
「うん」

「ねぇ、虎徹くん」
「ん?」

「疲れてる?」
「んー、まぁね(笑)
ここんとこ、残業続きだからな。さすがに疲れてる(笑)」

「………だよね…」

「ん?千香子さん?
どうしたの?」

ゆっくり起き上がった千香子。
虎徹の頬を包み込んで、顔を寄せた。

「え……千香子…さ……」

千香子は、虎徹の頬や額などにチュッ!チュッ!と啄むキスを繰り返す。

「んん…千香子さん?ど…したの…?」

「ほっておいていいよ。
虎徹くんに触れたくて、勝手に愛してるだけだから……」

昨日まであんなに恥ずかしさを感じていたのに、キスをし始めると何故か止まらなくなっていた。

千香子は感情のまま、虎徹に啄むキスを繰り返した。


「…………ダメだよ、千香子さん…」

そんな千香子を押し返し、指を絡めて手を握った。

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