〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
それから虎徹と千香子は、ソファに並んで座りサブスクで映画を見ていた。

二人ともマスクを三重にして、ただテレビ画面を見ていた。

千香子が「できる限り会話をしないで、でも隣にいられることないかな?」と言ったからだ。


「………虎徹くん」

「んー?」

「ごめんね、ワガママ言って…」

「ううん!
俺だって、傍にいたいし!
それに、言っただろ?
一緒に暮らしてる時点で、何をしても移る時は移るって!」

「うん…
でも、もし移したら、ごめんね…」

「その時は……今度は千香子さんが、マスク三重にして看病して?」
微笑み、頭をポンポンと撫でた。


それから………夕食を作っている虎徹。

その姿を、千香子はジッと眺めていた。
「……/////」
(カッコいい…//////
葱を切ってる姿までカッコいい…) 

テキパキと調理する虎徹に、ただ見惚れていた。
しかし一方で、寂しさも込み上がる。

(虎徹くんが、後ろから抱きつく気持ちわかるなぁ……)
休みの日に、虎徹が千香子から離れない気持ちがわかるのだ。

「………」
(ギュッて、されたいなぁー
また、ギュッてしてってお願いしてみようかな?
さっきは、少し寝ぼけてたから言えたけど…)

そんなことをボーッと考えていると、虎徹が「出来たよ!」と言ってうどんを持ってきた。

「あ、うん、ありがとう!」

「今度は、月見うどんにしてみた!」

「うん、美味しそう!
虎徹くんもうどん?
それだけじゃ、少なくない?」

「ん?だから、俺は肉巻きも作った!」

「そっか!」

「よし!食おうぜ!」

「うん!
いただきます!」

「どう……あ!あーんしてやろうか?(笑)」

「へ?//////」

「なーんてな!(笑)」
(………って、また恥ずかしがって嫌がる――――)

「うん…//////してほし…//////」

「……/////え…//////」
まさか、千香子からそんな反応があるとは思わない虎徹。
思わず固まってしまう。

「……/////あ!ご、ごめんなさ…えーと…やっぱ、自分で………」

「あ!する!
あーんするよ!」

虎徹の反応に、恥ずかしそうに視線を逸らした千香子。
慌てて虎徹は、千香子のうどんに手を伸ばした。

そして、うどんにフーフーと息を吹きかけ「千香子さん!あーん!」と口へもっていく。

照れながらも、素直に口を開け食べる千香子があまりにも可愛くて、甘えてくれるのが嬉しくて、虎徹はその幸せな時間に酔ったように浸っていた。
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