〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「――――めっちゃ、カッコよくない?」
「ヤバいよね…!」 

入社早々、虎徹は注目を集めていた。


仕事内容や流れなどの指導で、午前中はあっという間に過ぎた。

「原藤くん、ランチは?
弁当?」

「あ、いえ!」

「じゃあ…俺等と○○(定食屋)行かね?
安くて、めっちゃうめぇんだ!」

「はい!」

虎徹の指導係・行橋(ゆくはし)が声をかけてきた。
他にも先輩達と定食屋に向かう。

「あ、行橋さーん!
私達もー!」

数人の女性社員もついてきて、大勢で向かった。


「―――――原藤くん、糸岩(いといわ)先輩以来のイケメンだね!」

「そうすか?」

糸岩は、行橋の先輩。 
虎徹に負けず劣らずのイケメンである。

「確かに!」
「先輩。入社した時、告白されまくったらしい(笑)」

「へぇー」

「原藤くん、彼女は?」

「います」

「やっぱ、いるんだ〜」
「カッコいいもんね〜」
「いい男〜」

「………」

どうして今日初めて会って、しかも三・四時間程しか経ってないのに“いい男”だと言い切れるのだろう。

学生の頃は“最低だ”と散々言われて、女も何人泣かせたかわからない。

それに今の俺の頭の中は、今“千香子さんを抱きたい”しかねぇのに……(笑)
こんなサカってるなんて、思ってもねぇんだろうなぁ〜(笑)

「………」

(あぁ…千香子さんに会いてぇ〜)

腕時計に触れながら、そんなことを考えていると………
スマホのメッセージの通知音が鳴り響いた。

確認すると……

【虎徹くん、お疲れ様!
今は、ランチ中?かな?
どう?新社会人くん!】

思わず、顔がにやけた。

〚先輩達とランチ中!
○○って定食屋なんだけど、結構旨いよ!
今度行こうよ!〛

返信すると、すぐに返事が来て……

【そうなんだ!
私はサンドイッチ食べてるよ!
モール内のパン屋さんの!
こっちも美味しいよ!】

ただのメッセージのやり取りだけでも、幸せを感じられる。


「ん?原藤くん?」

「スマホ見て、笑ってる(笑)」
「彼女から?とか?」

そんな同僚達の言葉が耳に入らないくらいに、虎徹は千香子のことを考えていた。
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