〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
数時間後……

手術室の電気が切れ、医師が出てきた。

「「「虎徹は!!?」」」

「手は尽くしました。
幸い、命は取り留めてます」

良かった………と千景達が安堵する。

「しかし……」

「「「え……」」」


「まだ、意識が戻りません――――――」


無機質に、ピッピッピッ…と心電図の音だけが響く病室。

医師は“今日が山場”だと言った。

今日を乗り越えれば、大丈夫だと……


しかし……目を覚ますのは、いつになるかわからないと言った。



幸い、虎徹は山場は乗り越えた。

しかし、目を覚ます気配が全くない。


千香子は、ただ…虎徹の手を握りしめ、祈るように虎徹を見つめていた。

ずっと……虎徹の傍を離れない千香子。


「千香子、一度家に帰りな!」

「俺達が交代でずっと傍にいるから!
大丈夫。
変化があったらすぐに知らせる!」

天胡と千景が何度も諭すが、首を横に振るばかりだ。

「私のせい…
私がちゃんと…理由を話せばよかった。
意地を張らないで、ちゃんと話していればこんなことにならなかった……
ごめんね、虎徹くん。
ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい……!」


虎徹のプロポーズ。

本当は、心の底から嬉しかった。
すぐにでも受け入れたかった。

しかし千香子には、リストカットの過去がある。

今のところ、虎徹を中心に千景や天胡のおかげで傷つけずに済んでいる。

でも、まだどこかで不安と戦っている千香子。

この不安がなくなり自信を持てるまでは、虎徹と結婚は出来ない。


ちゃんと、胸を張って強くなりたい。

そして、虎徹くんを守りたい。

今度は、私が虎徹くんを支えたい。


自信が持てたら、私からプロポーズさせてほしいと言いたかったのだ。



「虎徹くん、お願い……
目を覚まして?
こんな誤解を受けたままじゃ…嫌だよ……!!」

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