〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「次からは、ちゃんと連絡して?
仕事終わったら、千香子さんとこに行くから!
そしたら、一緒に帰れるじゃん!」  

「うん、わかった!
――――――あ、ねぇ!見て!
ジャジャーン!
黒毛和牛!!
なんと!半額だったんだよ!
夕飯に食べようね!」

微笑み、言ってくる千香子。

「フッ…!
ドヤ顔だし!(笑)」

「フフ…
お腹すいたでしょ?
急いで作るからね!」

「俺も一緒にする!」

「フフ…ありがとう!」


一緒に調理しながら、虎徹が言った。

「あ!そうだ!
ここの家賃と光熱費は、俺の通帳から引き落とされるように口座変更したから!」

「へ!?」

「だって!千香子さん、金受け取ってくれないじゃん!」
同棲開始した日に、虎徹が生活費を渡したのだが「いらない」と断った、千香子。
“どうしてもの時は相談するから”と。

「それか、通帳渡そうか?
俺の給料が入る通帳。
それでもきっと、使ってくんないだろ?」

「でも虎徹くんだって、お金持ってないと!」

「俺は、投資で稼いだ金があるからいい!
最初から、給料は千香子さんに毎月全額渡す予定だったし。
投資で稼いだ金額見たら、千香子さんびっくりするよ?(笑)
とにかく!
通帳も金も受け取ってくれないから、強制的に変更した!」

「………」
(さ、さすが……)


「「――――――いただきます!」」
夕食を食べ始める。

「ん!旨っ!」
「だね!」
「「黒毛和牛!」」
微笑み合う。

「あ!どうだった?初日は」  
「んー、まぁまぁ…かな?」  

「やっていけそう?」

「ん?
フフ…もちろん!」

「イジメられたりとかしたら言って?
私も力になるから!」

「ないない(笑)」

「どうして?
そんなの、わからない」

「………」

「妬まれるとか…あるかもでしょ?」

「…………大丈夫。
そんなことされたら、倍にして返す。
つか!この俺が、やられると思う?(笑)」  

「あ…あぁ…(笑)」

徹治から話でしか聞いたことがない、虎徹の中・高時代。
しかし、高校生の頃の虎徹を一度だけ遠目から見たことがあるのだ。


徹治とデート中。
『ん?虎徹?
…………はぁ…あいつ、あんな所にいるのかよ……』

『ん?』

『あー、向こうにいる不良。
白のジャージ着てる奴。あれ、俺の弟』

指差した先にいたのは、金髪で煙草を吸い、恐ろしい雰囲気を醸し出した虎徹だった。
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