〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
寝室に響く、ベッドのスプリング音と二人の息づかい、そして千香子の甘い声。

二人は、これ以上ない幸福感を感じていた。


「…………ん…はぁ…千香子さん…こっち…見て?
俺を見て?」
自分が淫らになってくのが恥ずかしくて、枕に顔を埋めている千香子の耳に、虎徹の色っぽい声が聞こえてくる。

「や…恥ずかし……/////」

「ダメだよ、俺を見ててよ…!
やっと……やっと手に入れたんだ……
だから、俺を見てて」

千香子が虎徹を見上げる。
「フフ…かわい〜!」

好きな女抱くのが、こんなに幸せを感じるなんて知らなかった……

虎徹は、確かめるように千香子を貪った。

「虎徹…く…//////」

「好き…//////大好き…千香子さん…」
千香子に顔を近づける。

「私も…//////大好きだよ…」
自然と、二人の口唇が重なった。


「絶対!放さないからね……!」


――――――――――
―――――――……………

「幸せだ…!」
千香子を包み込み、頬を擦り寄せる虎徹。

「フフ…くすぐったいよぉ…フフ…フフフ……」

「んー、千香子さーん!好き、好き〜」

「フフ…」
更にキスで責める虎徹に、千香子は身をよじる。
そして、虎徹の左胸に触れた。

「ねぇ、これ“徹”だよね?」

虎徹の左胸から腕にかけて、大きな虎と草書体の“徹”が彫られている。

「うん、そうだよ。
高校ん時にさ。後先何も考えずに、ただカッコいいってだけで彫ったんだ(笑)」

「虎徹くん、そのモノだね!」

「んー、この“徹”は、俺の“徹”じゃないよ?」

「え?
じゃあ……」

「“徹治”の“徹”」

「そうなんだ!」

「兄貴のこと、好きだったから」

「へぇ~!
徹治くんも、可愛い弟って言ってたよ!」

「俺は、兄貴以上の良い男を知らない。
強くて、賢くて、優しくて、誠実で……!
照れくさくて、最期まで本人に言えなかったけど……自慢の兄貴だった!
まぁ、でも!千香子さんのことは、譲らないけどね!」

「フフ…そっか!
ほんと、素敵な人だった!
でも、虎徹くんも素敵!」

「え?」 

「やっぱ、兄弟だね!
二人とも、同じくらい素敵だよ!
…………」
微笑み、虎徹に抱きつく千香子。

「ん?千香子さん?」
千香子の頭を撫でる。

「だからね……」

「うん?」

「虎徹くんは、私を置いて逝かないでね?」

「…………うん…」
虎徹も、ギュッと抱き締めた。

「私、もう…絶対!リストカットしないって誓うから、逝かないで……!!」
見上げて言う、千香子。

「うん…!
大丈夫。
俺は、千香子さんを一人にしない!」

力強く頷くと、千香子は嬉しそうに笑った。 
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