〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
絆される虎徹
ゴールデウィーク真っ只中。

千香子達の勤めるショッピンモールは、連日大勢の客で埋め尽くされていた。

千香子や天胡、千景は、忙しい日を過ごしていた。


『――――千香子さん、終わった?』

今日も忙しく勤務時間が終わり、虎徹に帰るメッセージを送った千香子。
すぐに虎徹から、電話がかかってきた。
(虎徹は、仕事休み)

「うん。今日も、疲れた…」
『フフ…お疲れ!』

「お買い物して帰ろうと思ってるんだけど、何かいる?」
『だったら、一緒にしよ?
今からそっち行く!』

「うん、わかった!
じゃあ……一階の食品売場前のベンチで待ってるね!」


「――――まだ、来てない…みたい…?」
一階のベンチに向かう。
まだ、虎徹は来てないようだ。

あいてるベンチに座る。
スマホを取り出し、メッセージを送ろうとすると……

「モリチカだ!」
千景が隣に座ってきた。
千香子、千景、天胡は、だいたいシフトが被ることが多い。
なので、千香子の勤務日は千景・天胡カップルがいる。
(天胡がシフト調整を担当していて、千香子のリストカットのこともあるので、三人が出来るだけ一緒になるように調整してるから。
千景と天胡は、千香子を常に見守るようにしている)

「あ、お疲れ様!
あれ?天ちゃんは?」
「トイレ」

「そっか!」
「モリチカは?何してんの?
お前も、もうあがりだろ?」

「彼待ってるの。
一緒にお買い物しようってことになって!」
「そっか!
……………つか、客多いよな…(笑)」
周りを見渡し、疲れたように言った千景。

「だね(笑)」
クスクス笑い賛同すると、千景が微笑み頭に手を乗せてきた。

「モリチカ、幸せそうな顔してる!」

「うん!幸せ!」

「良かったな!」

「うん!」

千香子と千景が、微笑み合っていると……


「イテテテ………!!!!?」

千香子の頭に乗っていた千景の手を、突然誰かが掴み上げてきた。

「え!!?
あ……!?
虎徹くん!!?」

「お前、誰?
俺の女に気安く触るな…!!」
虎徹が、恐ろしい雰囲気を醸し出して千景を睨みつけていた。

「はぁ!?
お前こそ誰だよ!!?」
しかし千景も、負けてはいない。
掴まれている虎徹の手を反対の手で掴み、潰すように握りしめた。

「いてぇよ!!離せ!クソが!!」

睨み合う、虎徹と千景。


「ちょっと待って!!!
落ち着いて!!
虎徹くん!フジチカくん!!」

そんな二人を、千香子は慌てて止めに入った。
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