〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「―――――キャベツ…キャベツ…
うーん…うーん……」

キャベツを見比べている千香子。
虎徹はカートを押しながら、千香子を見つめていた。

「よし!これだ!」
カゴに入れる。

「え?千香子さん、そこのキャベツの方が安いよ?
千香子さん、安売りとか特売とかに敏感なくらい節約してるだろ?」

「でも、少しでも良い物を虎徹くんに食べさせたいし…」

「千香子さん、一人で住んでた時はどっちを選んでた?」

「へ?
もちろん!そこの安いのを!」

「だろ?
俺にそんな気ぃ遣うなよ!」

「う、うん」

「な?
はい!少しでも安いモン!」
そう言って、虎徹がキャベツを入れ替えた。

それからもカゴの中に商品が増えていき……

「これくらい…かな?
他にも、何かいる?」

「ううん、大丈夫!」

「よし!じゃあ…レジ……」
「多いな…(笑)」
レジには、客が並んでいた。

「あ!千香子さん、セルフならすぐ会計できるよ?」
「あ、いや…セルフは……」

「………」
「に、苦手なの…」

「………プッ…!」
「あー、バカにしてる!」

「フフ…フフフ……
千香子さんって、超アナログだよね!(笑)」
千香子の手にあるメモ紙を指差す。
千香子の丁寧な字で、沢山のリストが書かれていた。

「し、失敬な!!//////」

「実は、SNSも使えないでしょ?
メッセージ送るくらいしか」

「な、な、なっ…!//////」
(図星過ぎて、何も言い返せない……)

「フフ…可愛いよね!ほんと!」

「……//////」

「俺がするから、セルフに行こ?」

虎徹が手際よくバーコードを通して、エコバッグに詰めていく。

「………」
(はぁ…なんか、ほんと私って……)
千香子は、落ち込んだように肩を落とした。


「よし!
千香子さん、行こ!」
「あ、はい」

「……??」
元気のない千香子に、首を傾げる。

「………」

「………」

「………」

「千香子さん」

「ん?」

「どうした?」

「え?」

「なんか、元気なくね?
髪の毛グシャグシャで怒ってんの?」

「へ?」
(髪の毛?グシャグシャ?
…………あ!そんなこと、忘れてた…)

「そんな怒んなよ(笑)
今日は、俺が飯作ってやるから!」

「え?」


「千香子さん、何食べたい?」
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