〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「―――――天ちゃん」
ゴールデウィークも終わり、通常勤務になったランチ。
天胡とモール内のフードコートにいる、千香子。
(今日は、千景は休み)

少し真剣な表情(かお)で言った。

「んー?」

「どうしたらいい?」

「何が?
(とら)と喧嘩でもした?」 

「へ?ううん!」

「じゃあ、何?」

「良い男すぎるの。虎徹くん!」

「……………は?」

「カッコ良すぎるの!
しっかりしてるし、優しいし!」

「あ、そう(笑)
ノロケかよ!(笑)」

「だってぇ〜、カッコいいんだもん!」

「千景は、ムカついてるけどね(笑)」

「そ、そうなの…?」

「モリチカと別れさせろ!って言われた(笑)」

「えーーー!!!」

「ほら、あいつ。
千香子のこと、妹みたいに思ってるから!
年下だけど(笑)」

「でも、私は……」
シュンと落ち込む。

「……………フッ…」
そんな千香子を見て、噴き出した天胡。

「え?」

「冗談よ!(笑)」

「え…え?」

「千香子が幸せそうで良かったって!」

「へ……?」

「フフ…フフフ……ハハハッ!!」
目に涙を溜めて笑っている、天胡。

「も、もう!!天ちゃん!!」

「だってぇー、からかうの楽しいんだもん!」

天胡は終始、笑っていた。


その日、午後の勤務をしていると………

「千香子さん!」

「―――――え……!?こ、虎徹くん…!?」
虎徹が来店してきた。

「お疲れ!」

「ど、どうしたの!?」

「今日、早く仕事が片付いたからさ。
千香子さんに会いたくて来た!」

「う、うん…」
(なんで、こんな日に……)

虎徹が会いに来てくれたこと、本当に嬉しい。
でも今日は在庫整理のため、安売りをしているショップ。
女性客が多いのだ。

(虎徹くん、見せたくないよぉ……)

ヤキモチを妬いてしまう自分がいて、やきもきしていた。


「あ!虎だ!」

「は?あ…女トカゲだ…」

「熱いんだけど?」

「はい?
だったら、暖房弱くすれば?
つか!もう夏に差し掛かるんだから、暖房いらねぇだろ?」

「は?そんなこと出来るわけないじゃん!
ここ、ショッピングモールだし。
てかさすがに、暖房なんか入ってるわけないじゃん!
それに熱いってのは、二人の雰囲気のことだよ!」

「当たり前じゃん!
俺と千香子さんは、ラブラブなんだから。
トカゲカップルが入る隙、ねぇんだよ!!」 
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