〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
頼りにされたい
千香子さんは、脆くて弱い。

でも本当は……明るくて、とてもしっかりした女。


千香子さんは、俺の全て――――――



今日は、熱帯夜。

部屋のクーラーを入れて寝てるのに、かなり暑い。

「あちぃ…!!」
虎徹は目を覚まし、腕の中でスヤスヤと寝てる千香子を見下ろす。

「暑くねぇのかな?」
特に汗をかいてる様子も、暑そうな様子もない。

対して虎徹は、汗をかいていた。
それに……

「なんか、頭いてぇ…」

とりあえず、水が飲みたい。
汗で身体が気持ち悪い。

虎徹は、ベッドを下り部屋を出た。
冷蔵庫からペットボトルを取り出し、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み干す。

そしてシャワーを浴びに、風呂場へ。

なんだかスッキリして、また千香子を抱き締め眠りについた。


次に目が覚めたのは、千香子に起こされた時だった。

「―――――つくん!
虎徹くん!大丈夫!?」

「ん…あ…」
やけに身体がだるい。
暑くて、頭痛も酷くなっていた。

「なんだか、熱いよ?
きつい?」

「だるい…あた…ま、いた、い…」
千香子の柔らかい手が、額に触れる。

「熱い…」
呟いた千香子。
虎徹に布団をかけ直し、頭をゆっくり撫でた。

「千香子さ……」
「虎徹くん、今日は仕事お休みして?
出勤自由なら、会社に連絡は大丈夫だよね?
とりあえず、寝てて?
ご飯作って置いておくから、食べれたら食べてね。
あと汗もかいてるみたいだから、着替えてね!
着替えは置いておくから」

「ん…」
おとなしく頷くと、千香子がもう一度頭を撫でた。
とても安心して、心地いい。

虎徹はそのまま、ゆっくり目を瞑った。

準備をして、戻ってきた千香子。
眠っている虎徹の頭をゆっくり撫でて「行ってくるね」と呟き、額にキスを落とした。 

クーラーの設定温度を高めにして、部屋を後にした。


しばらくして………

虎徹が目を覚ました。
「んんっ…あちぃ!!」
布団を蹴って、ベッド下に落とした。

「千香子さん、何処?」
サイドテーブルのスマホを取る。
 
もう午後一時を回っていて、サイドテーブルに手書きのメッセージを書いた紙が置かれていた。

“こてつくんへ。
着替えとタオルを置いてるから、起きたら身体を拭いて着替えて?
あと、熱も測ってね。
鍋にうどんスープと、茹でたうどんを冷蔵庫に入れてます。
うどんを入れて温めて、食べれたら食べてね!
たぶん夏風邪だと思うので、風邪薬もテーブルに置いてます。
よく効くお薬だから、飲んでみて?
仕事終わったら、一度電話するね。
ちかこ”

虎徹は愛おしそうに、そのメッセージをなぞった。
そして、サイドテーブルに畳んで置かれた着替えを取った。
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