〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
その日、仕事が終わって自宅マンションに帰った虎徹。

「千香子さーん、ただい―――――はぁ…!?」

「あ、おかえり!」

「千香子さん!!何してんだよ!!?」

「へ?
電気、切れちゃって!」
千香子が、脚立に登り電球を替えていた。
天井がかなり高いので、脚立も一番上まで登っている。

「………」
虎徹が、慌てて近寄る。
そして、千香子に向かって両手を広げた。

「え?虎徹くん?」

「ん!
おいで!!
危ねぇから!」

「じ、自分で…//////」

「は?いいから!
俺に向かって、おもいきり飛び降りていいから!」
急かすように言う虎徹に、千香子はおとなしく飛び降りた。

トン…と虎徹の腕の中に収まる。

「あ…ありがと…//////」

「ほんと…焦った……
頼むから、こんな危ないことやめろよ……」
そのままギュッと抱き締め、切なく呟いた。

「ご、ごめんね。
でも、いつも自分でしてたし…」

「でも今は、俺がいるだろ?」

「うん、そうだね」

「…………もっと……」

「え?」
虎徹を見上げる、千香子。

「………」

「ん?何?」

「………ううん…」

“俺を頼れよ”

そう言いたかったが、頼りないのかもしれない。
千香子の口から“頼りない”なんて聞かされたら、本当に凹む。

虎徹は首を横に振り「電球、つけるから貸して?」と言った。


俺がもし、兄貴だったら………

千香子さんはもっと俺を頼ってくれたのかな? 
俺に沢山甘えてくれてた?

電球をつけながら、そんなことを考えていた虎徹。
つけ終わり、下りて脚立を畳んでいると……

「―――――わぁー、ありがとう!
頼りになる〜!
やっぱ、男の人がいるっていいね!」

そう言って、千香子が虎徹を微笑み見ていた。

「え……」
(頼りに…なる?)

「ん?虎徹くん?
どうしたの?」

「俺、頼りになる?」

「へ?
当たり前でしょ?
虎徹くんは、私の自慢の彼氏だもん!
カッコ良くて、賢くて、しっかりしてて……!
でも可愛い、私だけの彼氏!
もう…完璧だよ!!」

「……/////」
(ヤバい…めっちゃ嬉しい!
顔、にやける!)


思いがけない千香子の言葉に、虎徹は嬉しそうに笑ったのだった。

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