〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「虎徹くん!」

「あ…怒った?」

「TPO!」

「千香子さんのせいだよ」

「え?私!?」

「いちいち可愛い反応するじゃん!
それ、煽ってるとしか思えねぇ!」

「…………そんなつもりは…
…………だって…虎徹くんカッコ良すぎて、見てるだけでドキドキするんだもん…」
俯き、ゴニョゴニョ言う千香子。

「………」

「………」

「フッ…」
噴き出す、虎徹。
千香子の頭をポンポンと撫でた。


冷やし中華を食べることにした、二人。
満席なため、外で待つことに。

「あちぃ…」 
「暑いね…
中で待ってたいけど……多いし…」

「やっぱ、みんな考えることは同じだな(笑)」
「フフ…だね(笑)
でも、中は涼しそう……!」

ガラス張りの店内を覗いている千香子を見つめる、虎徹。

何処にいても、何をしていても、千香子の全てから目を離せない。

「…………好き…千香子さん…」
ポツリと呟き、後ろから抱き締めた。

「―――――!!!?ひゃぁ!!?
ちょっ…虎徹くん!!」
驚いたように振り返る、千香子。

「ん?
千香子さん、柔らかいよね!
気持ちいい~!」  

「ダメだよ!離して!
TPO!
それに暑いし、私汗臭いし!!」

「そう?
そんな感じないよ?」
千香子の首すじをクンクンとにおう。

「ちょっ……におわないで!!」

「フフ…フフフ…可愛い〜!」

千香子が怒っているのに、虎徹は嬉しそうに笑っている。

「…………虎徹くん?」

「幸せだなーと思ってさ!」

「え?」

「こんなバカみたいなことが、幸せ!
千香子さんが笑って、照れて、可愛く怒ってるのが幸せ!」

「虎徹くん…
うん、そうだね……!」

順番が来て、仲良く冷やし中華を食べた。
かき氷も食べたいねって話になって、二人で一つを分けて食べた。


千香子の幸せが虎徹に元気を与え、虎徹のTPO関係ない愛情表現が千香子に命を与えていた。


再会して、四ヶ月程。
千香子が毎日幸せそうで、忘れていた。


千香子はまだ、自身の脆さや弱さを……



“乗り越えられていないことを”
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