〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「虎徹く――――――」

虎徹に抱き締められる、千香子。

「良かったぁ……」  
虎徹が、震えていた。

あぁ…私は……
また、虎徹くんを傷つけてしまった。

私が弱いせいで……

「ごめ…な、さい……」

「ん?千香子さん?」
向き直り、千香子の頬を包み込む。

「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

虎徹が、ゆっくり首を横に振る。

「大丈夫。
千香子さんは、俺との約束を守ってくれた。
それだけで、十分だよ!
ありがとう!」

千香子の目から涙が溢れた。

そこに、天胡と千景の声が聞こえてくる。
「千香子…」
「良かった…」

「あ…」

「あ、トカゲカップルが会社に知らせに来てくれたんだ。
ここまで、車で送ってくれた」

「そうだったんだ…
ありがとう……!」

「連絡先、知らなかったからな。
天胡と虎の会社に乗り込んだってわけ!」
「ほんと、間に合って良かった!」
 
「そっか。
二人とも、ありがとう!」

涙目で千香子が微笑むと、天胡と千景も笑った。


そのままデリバリーを頼み、四人で食事することになった。

「でもほんと千香子、少しずつだけど強くなってきてるわね!」
「だな!
ちゃんと、思い留まったもんな!」 

「みんなのおかげ!
いつも、自分に言い聞かせてるの。
“もう二度と切らない”って。
みんなのおかげで、少しずつ痕が薄くなってるから、それ見てると頑張れそうなの」

「そっか!」

「千香子さん、偉い!」
ポンポンと頭を撫でる、虎徹。
千香子も微笑んだ。

「……/////」
(わぁ…やっぱ、可愛い〜)
思わず、顔を寄せる。

「え……」 
「ん?」

「あ、いや…近、い……」 
「うん」

「ちょ…離れて…」
「んー、ちょっとだけ…」

「ダメ…
天ちゃん達、いる…
それに…TPO…」
「ちょっとだけだから…
一瞬だけ…」
 
「……/////」
(ダメェーーー!!!)
虎徹の顔が近づいてくる。
そこに、千景が虎徹を引き離した。

「サカるな、ガキ!」

「はぁ!?
いてぇよ!!」

「今帰ってやるから、二人になってからにしろ!!」
そう言って、千景は天胡を連れて帰っていった。


「…………はぁ…やっと、二人っきりだ…」
千景と天胡を見届けて、ホッとしたように抱き締める。  
「……/////」

「フフ…
もう、良いよね?」 
千香子に向き直って、口唇をなぞる。
千香子がゆっくり頷くと、虎徹は微笑み顔を近づけた。

チュッとリップ音がして離れた。

照れたように微笑む千香子。
虎徹も微笑み返しながら(ほんと…留まってくれて良かった…)とホッと肩を撫で下ろしていた。
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