〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
始まり
そして二年後。

約束の日(虎徹の引っ越し日)の三日前。
千香子が住むマンションに、数個の大きな段ボールとデスクやチェアが運ばれてきた。

“服”“小物”“靴”など………一つ一つにマジックで書かれている。

虎徹の引っ越し荷物だ。

「――――――うん、うん。今、届いたよ!」

電話の相手は、虎徹だ。

「じゃあ…三日後ね!
うん!気をつけてね!」

通話を切って、千香子はベランダに出た。

「徹治くん。
どうか、見守っててね!」

右手首につけている、虎徹とお揃いのブレスレットに触れる。

そして、空に向かって呟いた。


三日後。
千香子は虎徹を迎えるため、駅にいた。

二年ぶりに会う、虎徹。

楽しみな反面、不安でもあった。

左手首につけているリストバンドをさする。
「………」

虎徹くんは私と再会して、ガッカリしないだろうか………

千香子は、不安になると左手首のリストバンド(リストカットの傷痕)に触る癖がついていた。

改札口を、大勢の乗客が出てきた。
「あ…」
(虎徹くん、確かこの新幹線だよね)

ぞろぞろと出ていく乗客。
最後らしき乗客が出ていく。

「あれ?」
(私、時間間違えた……!?)

慌ててスマホを取り出し、虎徹からのメッセージを確認する。


すると、ふわりと後ろから抱き締められた。
すぐに“誰か”わかった。

「虎徹くん!」
後ろを振り向き、微笑む。

ただいま(・・・・)!!千香子さん!」
虎徹も、嬉しそうに笑った。

「フフ…おかえり!
………ってなんか、おかしくない?(笑)」

「そう?(笑)
フフ…ヤバい!顔がにやける!!」

「ん?」

「だって、今日から千香子さんとずっと一緒にいれるから!」

「フフ…うん、そうだね!」

「千香子さん」

「ん?」
真剣な表情(かお)になり、見据えた虎徹。
千香子も自然と真剣な表情(かお)になり、背の高い虎徹を見上げた。

「もう一回、ちゃんと言わせて?」

「ん?」

「森浦 千香子さん。
ずっと、好きでした!
付き合ってください!」

「はい!!
私も、虎徹くんが好きです!
よろしくお願いします!」


二人は、嬉しそうに微笑み合った。
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