〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「えー、なんで?」

「千香子。こっちに来た時から、既に虎のこと好きだったから。
ベタ惚れね、あれは…(笑)」

「あぁ、そうだな(笑)」

「そうなの?」

「うん。
あの子、モテるでしょ?
可愛いってのもあるけど、相手の懐にスッ…って入っていけるから、みんないつの間にか千香子が好きになるって感じ。
この二年、結構告白されてたもん。
でも決まって言うの。
“ごめんなさい。私はもう…一人の人しか好きになれません。
その人との未来しかいりません”って」

「千香子…さん…が?」

「モリチカは、お前のことしか見てない。
お前がいなくなったら、後を追うか、一人で生きていくっつてるくらいにな!」

「そ…なんだ…//////」

「愛されてんね?原藤くん!」
「いいなぁー、原藤くん!」


「―――――お待たせー!
フジチカくん、おつり!
で、これを割らなきゃだよね!」
そこに、千香子が微笑み戻って来た。

「ん?良いよ、俺が奢る!」

「え?ダメだよ!!」

「なんで?俺が良いんだから、良いじゃん!」

「虎徹くんと行橋さんは途中からだし、まぁいいとしても…
後はダメ!!
私達も食べて飲んだんだから!」

「面倒くせぇなぁー!
ケチなんだから、おとなしく“ありがとう!”って言っとけ!
可愛く笑ってさ!」

「だから!
ケチじゃなくて!節約上手なの!
出すところには惜しまないの!私は!」

「だったらさ。
モリチカちゃんは、二千円ね!
天胡ちゃんはフジチカの彼女だし、いいだろ?
俺は男だし、結構食ったから四千!
どう?
ちゃんと、平等だろ?」
言い合いになる千香子と千景に、首東が割って入る。

「シュトくん…
はい!わかりました!」

「さすが、店長ね!」
千香子が納得し、天胡が微笑んだ。

「凄いなぁ、首東さん!
綺麗に纏めて!」
行橋も感心したように言った。


一方の虎徹は、千景と天胡の言っていた言葉を噛みしめていた。

「……/////」

“その人との未来しかいらない”

それって、俺のことだよな?
ヤバい、めちゃくちゃ嬉しい……!

ずっと、千香子には“徹治が付き纏っている”という感覚でいた虎徹。

思いがけない千香子の本心を聞いて、言葉にできない喜びに包まれていた。


「虎徹くん、帰ろ?
解散だよ?」
ボーッと千香子への想いに浸っていると、千香子が見上げていた。

「……/////」

「虎徹くん?」

「………好き…俺も、好き…!」

「え?え?」

「俺も!千香子さんとの未来しかいらない!!」
そう言って、千香子を抱き締めた。

「え?え?
ちょっ…虎徹くん!!
TPO!!!」

もがく千香子をお構いなしに、虎徹は千香子を抱き締めていた。
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