〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
そんなある日。

「モリチカちゃん!ちょっといい?」

「はーい!」
首東に呼ばれ、裏に向かった千香子。

そこには、首東と男性がいた。
「今日から入った、青代(あおしろ)くん。
指導してやってくれる?」

「青代です!
よろしくお願いします!」

「え?私で…いいんですか?
ナリカワくんの方が……」

「うーん、そう考えたんだけどね。
ナリカワには、シフト調整を覚えてもらってるところなんだ。
天胡ちゃんと上手く振り分けられるようにね。
他にも在庫管理のことも頼んでるしね(笑)
しっかりしてるから、色々頼んじゃって…」

「あ…そうですよね…(笑)
優しいから、何でも笑顔で引き受けてくれるし(笑)」

「そうなんだ!
つい、甘えてしまう…(笑)
でもさすがに、色々頼みすぎて申し訳なくて……
……てことだから!
お願いしていい?」

「はい!
――――――森浦です!
青代くん、よろしくお願いします!」
微笑み、挨拶をしたのだった。


「――――あの、俺も“モリチカさん”って呼んでいいですか?」

作業を教えていると、人懐っこく微笑んでくる青代。

「うん、もちろん!」

千香子は青代を見て、大学に入学してきた頃の虎徹と重ねていた。

“千香子さん!”
と、人懐っこく微笑み寄ってきていた虎徹。

カッコ良くて、真っ直ぐで可愛くて。
自然とこちらも笑顔になる。

「俺のことも“アオテツ”って呼んでください!」

「え?
アオテツくん?」

「はい!
青代 哲二(てつじ)なので!」

「え……テツジ……?」

「はい!
…………ん?モリチカさん?」

無意識に、左手首を触る千香子。

「モリチカさん!モリチカさん!」

「………………あ…ご、ごめんね!
そ、そうなんですね!
わかりました!
じゃあ、アオテツくんで!」


その日、ランチをフードコートで一緒していると、天胡が来た。

「お疲れー」
「お疲れ様!」
「お疲れ様です!」

「何ー?
仲良くランチ?(笑)」

「え?」

「虎、またヤキモチ妬くよ?」

「え?
でも、普通にランチだし…」

「………プッ…!
そんな本気にしないでよ(笑)
ほんと、からかい甲斐がある〜」

「もう!天ちゃん!」

「ごめん、ごめん!(笑)」

「……………モリチカさん、彼氏いるんだ……」
千香子と天胡のやり取りを見て、ポツリと呟いた青代。

「「え?何?」」
千香子と天胡が、声を揃えて青代を見る。

「あ、いえ!
二人も仲良いですね!」

「フフ…」
「まぁね〜
羨ましい?(笑)」

天胡に意味深に言われ、青代は顔を赤くしていた。
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