〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
その日の勤務が終わり――――――

「アオテツくん、お疲れ様です!」
「お疲れ様です、モリチカさん!」

「また明日!
気を付けてね!」

「あ!あの!」

「ん?」

「一緒に帰りません?
駅とかまででもいいんで!」

「あ…お買い物して帰るの。
だから……ごめんね」

「あ、そうですか。
わかりました!」


それから千香子は、いつものベンチにいた。
虎徹を待つためだ。

「千香子さーん!」
いつものように、人懐っこい笑顔で寄ってくる虎徹。

「あ!虎徹くん!」
(フフ…やっぱ似てる(笑))

「お疲れ様!」
千香子の手を握り、嬉しそうに指を絡めた。

買い物をして、自宅マンションに帰る。
買ってきた物を整理していると、虎徹が後ろから抱きついてきた。
「んー?虎徹くん?
ごめん、ちょっと離して?
まだ、片付け終わってないから」

「千香子さん、あのね……」
後ろから、虎徹の窺うような声が聞こえてくる。

「ん?何?」

「シュトさんから、口説かれたりされてない?」

「フフ…されてないよ!大丈夫!」

「ほんと?」

「うん!
それに!もし、口説かれたりしても断るよ?」

「そりゃ、そうだけどさ…」

あの飲み会以降、虎徹がよく確認してくる事柄だ。
その他にも“行橋が来店してないか”とか“他にも告白されてないか”などを確認してくるのだ。
  
千香子は振り返り、虎徹の頬に触れた。
「私が好きなのは、虎徹くんだよ?
虎徹くんだけ!」

安心させるように言うと、虎徹も嬉しそうに微笑んだ。


後日。
虎徹と千香子がデートしていると………

「モリチカさーん!」
後ろから千香子を呼ぶ声が聞こえてきた。

「へ?
あ!アオテツくん」

「お疲れ様です!」
人懐っこい笑顔で寄ってきた。

「お疲れ様です!」
(可愛い人だな、ほんと(笑))

「あ…デートですか?」

「あ…/////うん/////」
「千香子さん、誰?」
淡々と言う、虎徹。

「あ、アオテツくん。
先週から入ってきた、バイトの子なの!
私が指導してて」

「ふーん…
千香子さん、早く行こ?」

「え?あ…
アオテツくん、じゃあ…また」

「はい!
また明日!」

小さく手を振り合い、別れた。
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