〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「………」

「………」

「………」

「………」

互いに無言で、帰路につく二人。
でも、手はしっかり指を絡めて繋がっている。

自宅マンションに着き、そのまま寝室に引っ張っていく虎徹。

「え……虎徹くん?」


「………………ねぇ…シよ?」


「え?
………………こ、てつ…く……」

虎徹の目は潤んでいて、顔は切なく歪んでいた。
まるで、捨てられた子犬のようだ。

「どうしようもないんだ…」

「………」

「どうしようもなく、千香子さんが好き」

「虎徹く…」

「もし、兄貴が生きてたら…
きっと…俺のモンにはならなかったよな?」

「え……」

「兄貴が死んだから、千香子さんは俺のモンになってくれた。
それはわかってる。
………………でも、不安なんだ。
千香子さんが、どっか行くんじゃないかって。
誰かに取られるんじゃないかって。
だから―――――――」

「いいよ」

「………」

「いいよ!
シよ?
それで虎徹くんが安心するなら!
いくらでもあげるよ?
再会した日に言ったよね?
“虎徹くんが望むなら、毎日でだってこんな私をあげる”って。
ね?
だから、良いんだよ?
虎徹くんだけは、それが許される!
もっと、求めて?」

「千香子さ…//////
うん、うん…!」

虎徹は嬉しそうに、千香子の口唇を奪うように食いついた。

キスが深くなって、なだれ込むようにベッドに沈んだ。
服を脱がしながら、虎徹のキスが千香子の身体に落ちていく。

「ねぇ…千香子さん」
胸に埋めていた顔を上げ、千香子を見る虎徹。

「ん…」

「キスマーク、つけていい?」

「……//////え?」

「ね?お願い……!」

「……/////」
ゆっくり頷くと、虎徹は嬉しそうに笑って千香子の首に吸い付こうとする。

「あ!待って!
見えないところに―――――んんっ…!!」

「あーあ!残念!!
つけちゃった!(笑)」

悪戯っぽく笑って、更に千香子の首や胸元に吸い付いた。


虎徹が漸く落ち着いて、虎徹の腕枕で横になっている千香子。
少し、ご機嫌ななめだ。

「こんなところ、隠せないよ!」

「隠さなくていいじゃん」

「恥ずかしいの!」

「でも俺は、安心する!」

「……/////」

「“俺が安心するなら”いいんだろ?」

「うぅ…そうだけど…」

「ね?
千香子さんは、俺のモンって印!」


嬉しそうに笑う虎徹に、千香子は「まぁ…いいか!」と微笑むのだった。
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