〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
嫉妬が不安を煽る
虎徹くんは、賢くて、強くて、可愛い。

それでいて、とにかくカッコいい。


街ゆく人達の視線を集め、モデルと勘違される程に、美しい容姿を持つ。



「―――――お疲れ様でーす!」

季節は秋だが、まだまだ暑い日が続いているある日の仕事終わり。

社員達が仕事を終え、退社していく。

虎徹の会社は、自己責任で仕事を行っている。
勤務時間や休日も自分で決める。

ノルマをきちんとこなせば、基本的に自由だ。

虎徹は基本、千香子の勤務に合わせて仕事をしている。

千香子のシフトに合わせて、自分の勤務時間を決めている。


しかし、いつも合わせられるわけはない。
今日虎徹は、残業をしていた。


「原藤くん、お疲れ!」

そこに、同僚の井野(いの)が声をかけてきた。
虎徹の同期の女性社員だ。

社内の女性の中で虎徹が一番話しやすい女性社員で、今は一緒の案件を抱えている。
なので最近は、よく一緒にいる。

もちろん互いに、あくまでも仕事上での付き合いだ。

「あー、お疲れ!」

「はい、コーヒー!」

会社にはドリンクバーがあり、社員達は好きなドリンクを飲んでいいことになっている。

コーヒーをデスクに置いた、井野。
隣に座り、作業を再開する。

「ありがと」

「ねぇ…」

「んー?」

「作業しながらでいいからさ、聞いてくんない?」

「ん?」

「お願いがあるの」

「んー?」
虎徹はパソコン画面を見ながらコーヒーを取り、一口飲んだ。

「私、やっちゃったんだよね……」

「何を?」

「彼の友達とネた」

「…………は?」
そこで、隣に座る井野を見た。

「しかも、妊娠した」

「はい?」

「どうしたらいいかな?」

「………」

「ねぇ!」

「ちょっと待て!
話が見えねぇ…」
虎徹はもう一度コーヒーを一口飲み「煙草、吸ってきていい?」と言った。

社内の喫煙所に向かい、煙草を吸う。
井野も入ってきた。

「おい、お前妊娠中だろ?
煙草、ダメだろ!」

「マスクするから!」

「いやいや、そうゆう問題じゃ…
あーもー、つか!
わかったから、ここ出るぞ!」

虎徹は吸いかけの煙草を灰皿に潰し、井野を軽く押して喫煙所の外に促した。
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