〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「え?」

「どうして、怒らないの…?」

「千香子、さん?」

「電話も出ずに、虎徹くんに心配かけたでしょ?私。
…………どうして、怒らないの!?
“なんで連絡しねぇんだよ!?”とか“なんで電話出ねぇんだよ!?”とか、色々あるでしょ!?」

「千香子さんが大事だから」

「は?」

「俺が怒ったら、千香子さんもっと不安定になる。
それで自殺とかされたら、俺は生きていけない」

「………」

「俺には、千香子さんだけだから。
千香子さんがいれば、それでいい。
千香子さんを失うなんて、考えられない」

「私だって、虎徹くんを失うなんて絶対嫌!」

「うん」

「……………不安なの…」

「ん?」

「虎徹くんの愛情をちゃんと感じるのに、香り一つで不安になる」

「香り?」

「香水」

「は?香水?」

「ここ最近、仕事から帰った虎徹くんから、女性物の香水の香りがしてた。
女性社員さんもいるから、香りが移ることあるのはわかるけど、最近突然だったから何かあるのかな?って。
それに、今日会社から一緒に香水の女性と出てきたでしょ?
仲良さそうに見えた」

「え?千香子さん、会社近くにいたの?」

「うん。
早く、会いたくて…」

「そっか…
その人は、井野ってゆう同期。
今、一緒に案件を抱えてて」

「そっか…」

「ごめんね。
千香子さんを不安にさせて…」

千香子がゆっくり首を横に振る。

「でも千香子さん」
虎徹が軽く、千香子にデコピンをした。

「……っ…!!」
額を押え、虎徹を見上げる。

「俺、怒ってるから」

「え?」

「俺に言葉ぶつけてきて構わないから、電話には出ろよ。
マジで、焦ったんだからな!?
千香子さんが、いなくなったんじゃねぇかって!」

「あ…うん…ごめん…なさい…」

「千香子さんを失うのだけは、耐えられねぇ!
頼むから……勝手にいなくなるなよ……!」

「うん…
ごめんね…」

「ほんとに悪いと思ってる?」

「思ってる」

「じゃあ、もう…二度と勝手にいなくなるな」

「うん」

「連絡も、すぐに出て」

「うん」

「不安があるなら、どんなことでもぶつかってきて?
俺はその方が安心するから」

「うん」

「わかった?」

「うん」

「じゃあ…キスして?」

「うん。
……………ん?
だ//////ダメだよ!!//////」

「なんで?
一番、手っ取り早い愛情表現じゃね?」

「帰ってからにして…?」

「…………わかったぁ…
じゃあ…帰ろ?」

そう言って、軽くキスをした。
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