〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
ウザいくらいに離れない
「千香子さーん!好き〜」

ある休日。
昼食を作っている千香子に、後ろから抱きついて頬擦りをしたり、キス責めしたりしている虎徹。

休日の虎徹は、基本的に千香子から離れない。
特に最近はべったりだ。

「虎徹くん、ちょっと離れて!
料理、しにくい……」

「やだ」

「いや、ほんと怪我しそ………っ…たい…!!」

「え…!?千香子さん!?」

「……っ…たい……」

「大丈夫!!?」

「ん…大…丈夫…」
案の定、包丁で指を切ってしまう。

「ごめん!!調子に乗りすぎた!
ごめんね!!」

「虎徹く…救急箱…
そこの棚の上…」

「待ってて!」
千香子をソファに座らせる。
そして救急箱を持ってきた虎徹が、丁寧に処置する。

「ありがとう!」

「うん…」
シュンと落ち込んだように返事をする。

「虎徹くん?」
顔を覗き込むと、虎徹は申し訳なさそうに顔を逸らした。

「ごめん、千香子さん。
怪我させるなんて、最低だよな……ごめん」 

「………」
千香子は優しく頭を撫でた。

「千香子さん?」

「大丈夫だよ!」

「え?」

「大丈夫だから!
ね?
笑って?」

「うん…ありがと…!」
微笑む千香子に、つられるように微笑んだ。

「でも、料理してる時はあまりくっつかないで?
危ないから」

「うん…そうする…」

「ん。宜しい!」
千香子は、ポンポンと撫でてキッチンに戻った。

調理を再開した千香子を、虎徹はソファから眺めていた。

テキパキと調理をする千香子を見ていると、幸せで穏やかな気持ちになる。
そして同時に、自分自身の千香子への溢れる感情を処理できないことに戸惑っていた。

「………」
(なんで、こんな好きなんだろ……俺…)

足を組み、頬杖をついている虎徹。
ボーッとそんなことを考えていた。

「わ…カッコいい…//////」
不意に、千香子の呟きが聞こえてきた。

「ん?何?千香子さん」

「う、ううん…/////」
ぶるぶる首を横に振る、千香子。

「んー?なんだよぉ〜」
近づき、カウンター越しに千香子の顔を覗き込んだ。

「な、何もない!//////
ほら!出来たよ!食べよ?
持ってって!」

「フフ…はーい!」

顔を赤くする千香子。
虎徹は笑って、皿を運ぶのだった。
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