〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「―――――千香子さんさ、レストランとか経営したら?」

「ん?どうしたの?急に」

「だって、マジで旨いもん!千香子さんの飯」

「そうかな?
フフ…ありがとう!嬉しい!
でも今の仕事、楽しいし!」

すると、千香子のスマホが鳴り響いた。
「ん?」

「………」
(なんか、やな予感……)
虎徹は嫌な予感がし、構えて千香子を見つめた。

「もしもし?天ちゃん、お疲れ様!
――――――うん、うん。
――――――え?そうなんだ…うん、うん、わかった!二時ね?わかったぁ〜、はい、はーい!」

通話を切った千香子が、虎徹を見る。
「何?」

「虎徹くん、急遽三時間だけだけど仕事に――――――」
「やだ!!」

「虎徹くん…」

「なんでOKすんのー!!?
せっかくの二人一緒の休みなのにぃ!」

「ごめんね。
でも人がいなくて、天ちゃん困ってるの。
力になりたい!」

「………」

「虎徹くん、ごめんね」
千香子は食べた食器を流しに持っていき、着替えるために寝室に向かった。

「………」
取り残されたような、虎徹。
バッと立ち上がり、千香子を追いかけるように寝室に向かった。

寝室に入ると、ウォークインクローゼット内で千香子が着替えていた。
そしてパタパタと動き回り、準備をしたりメイクをしたりしている。

虎徹はベッドに腰かけ、それをジッと目で追い見つめる。
「千香子さん」

「ん?」

「千香子さんは、俺と“離れたくない”とか思わないの?」

「え?」

「くっついてたいとか」

「………思うよ」

「だろ?
だったら、断ってよ!」
駄々をこねるように、足をバタバタさせた。

「だからね。
仕事だし、できる限り天ちゃんの力になりたいの!」
虎徹の隣に腰かけ、虎徹の手を握った。

「………」

「ごめんね、行ってくるね」
虎徹の頭をポンポンと撫で、寝室を出ていった。


マンションを出て駅に向かっていると、タタタッと後ろから駆けてくる足音がして虎徹が追いかけてきた。

「千香子さん!」

「え?虎徹くん?」

「煙草買いに行きたいから、途中まで一緒行こ
?」
そう言って、指を絡めてきた。
虎徹が可愛くて、千香子はなんだか嬉しくなる。

微笑み「うん!嬉しい!」と言うと、虎徹が「ワガママ言ってごめん…」と言ってきた。

そんな虎徹に、千香子は「可愛いから、許す!」と笑った。
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