〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「そっか…良かった!
まぁ、虎徹に限ってそんなことあり得ないだろうけど……
千香ちゃんをもう、悲しませたくないからね」

「………」

「ん?虎徹?」

「ノブさんって、やっぱ千香子さんのこと好きだよね?」

「は?
好きだよ」

「はぁ!!?」

「そりゃあ、そうでしょ?
可愛いもん。
でも俺の女にするなら、ツンとした女がいい。
そう言ってんじゃん!」

「つか!
千香子ちゃんのことが嫌いな奴とかいんの?」
「いねぇだろ?(笑)」
「千香子ちゃんって、可愛いだけじゃねぇ不思議な何かがあるもんなぁー」

仲間達が声を揃えて言った。

「………」
千香子のことを褒められるのは良いことだが、虎徹からすれば嫉妬が膨らむばかりで全く良い気がしない。
ふてくされたように、不機嫌になる。

「虎、そんな怒んなよ(笑)」
「ガキだなぁ〜(笑)」

千景達に「ガキ!(笑)」とバカにされ、益々機嫌が落ちていく。

「うるせぇ!!
帰る!!」
子どものように言い捨て、その場を後にした。


自宅マンションに帰ろうとして、腕時計で時間を確認する。

「あ…!」
千景達と色々話をしていたおかげか、千香子の仕事が終わる時間に迫っていた。

虎徹はその足で、ショッピングモールに向かった。

“千香子さんに会える!”

それだけで嬉しくなり、足取りも軽くなる。

丁度ショッピングモールに着いたあたりで、千香子から電話がかかってきた。

「――――――千香子さん!」

『虎徹くん!今、終わったよ!』

「じゃあ、いつもの所に来て!
俺今、モールにいるから」

『待っててくれたの!?
フフ…ありがとう!
じゃあ、急いで向かいまーす!』

いつものベンチで待っていると、千香子が小走りで駆けつけてきた。

「虎徹くん!お待たせ!」
「うん!
お疲れ!」
虎徹も立ち上がり、千香子に近寄る。

「フフ…」
ニコニコして、虎徹を見上げる千香子。

「ん?」
虎徹も微笑む。

「やっぱ、嬉しいなぁって!
虎徹くんがここまで迎えに来てくれるの、凄く嬉しい!」

「フフ…うん!」

「今日、ありがとね!
せっかくの二人一緒の休みだったのに…」

「ううん!」

「あ、それでね!
なんか、外食して帰らない?
もちろん、奢るから!
虎徹くんの好きなの食べて帰ろ?」

「だったら、家がいい!
弁当とかで構わないから。
千香子さんと二人っきりがいい。
もう…誰にも、邪魔されたくない……!」

千香子の手を掴み、指を絡めて甘えるように言った。
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