〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
全てが欲しい
「――――遅くなってすみません」

虎徹は今日、会社の社員達に飲み会に誘われ居酒屋に来ていた。


「原藤くん、こっち!」
行橋が手招きし、行橋と糸岩の間に座った虎徹。

「お疲れです!」
「お疲れ!
虎徹、何飲む?」

「えーと…ビール?かな」
周りの社員達と同じのを頼む。

ビールが来て、社員の一人が「原藤くん来たし、もう一回乾杯ね!」と言った。

「カンパーイ!!!」
とグラスが当たる音が響いた。


「千香ちゃんは?」
「ん?家にいる」

「連れてくりゃあ良かったのに!」

「は?やだよ。絶対!やだ!」

「なんで?
どうせ来月のBBQ、連れてくるんだろ?」

「え?あ、あー
毎年やってるってゆう、会社のイベントだよな?」

「そうそう!
毎年、結構盛り上がってるしな!
去年も、かなり盛り上がったぞ?な?行橋」

「はい!
糸岩さん、今年はどんな美人連れてくるんすか?」

「うーん…今、物色中(笑)」

「物色って…(笑)」
虎徹が苦笑いをして、ビールを一口飲んだ。

「ねぇねぇ〜
原藤くんの彼女さんって、どんな人なの〜?」

「は?」

「可愛いよ!ちっちゃくて(笑)
明るいし、優しいし!」
「可愛いよな〜!」
糸岩と行橋が揃って答えた。

「………」

「写真ないの〜?」

「あるよ!」
糸岩がスマホを取り出す。

「はぁぁ!!?
なんで!!?」

「天胡ちゃんに貰った!
いや〜チョー可愛くてさ!
…………ほら!可愛くね?これ」

糸岩のスマホに映っている、千香子と天胡。
ショップのパーカーを着て、二人で映っていた。

「……/////」
(ヤバ…クソ可愛いし/////)
思わず、虎徹も見惚れてしまう。

「やっぱ、可愛いな!」
と、行橋。

「このパーカー、○○の?」
「あぁ、そこの店員!△△の中にある」
「へぇー、行ってみようかな!」

「は?ダメっすよ!!」

「虎徹、良いじゃん!
その代わり、なんか商品買ってやってよ!
だったらいいよな?」

「ノブさん」

「ん?
え……もしかして、怒ってる?」

「怒る?
は?そんな優しい感情、とうに越えてますが?」

「おっ!
殺る?(笑)」

「え?殺っていいんすか?」

「フフ…でも、そんな簡単に殺られないよ?
わかってる?
俺、君の兄貴の右腕だったお、と、こ!」


黒い雰囲気で睨みつける虎徹と、意味深に笑う糸岩。
場が、ピンと張り詰めていた。
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