〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「――――で?なんで、腕相撲?(笑)」

「ほんとに、喧嘩するのかと思った(笑)」 
「まぁ、喧嘩するより良くない?」

虎徹と糸岩が、腕相撲で対決していた。

「……っし!!勝った!」
糸岩がガッツポーズをする。

「くそっ…!」

「だから言ったろ?(笑)」

「ムカつく…」
ふてくされたように、虎徹はビールを飲み干した。

「でもさ、糸岩さんの友達の弟が原藤くんってことは……」

「虎徹、元・不良」

「見えない…」
「確かに…」

「虎徹って、大学ん時はどうだったの?
俺、高一までのお前しか知らないからさぁー」

「高校卒業して、そん時の奴等とは縁を切った。
今は、大学からのダチだけ」

「へぇー!」

「ノブさんは?」

「俺も!
縁は切ったつもりはないが、高校卒業してこっちに来たからな!
大学をこっちの大学にして」

「みんな、色々あるよな(笑)」
「だな!俺も、学生の時は尖ってたし(笑)」
「俺は大学ん時、めっちゃ遊んだ(笑)」
行橋達も揃って言う。

「………」
不意に、虎徹は千香子のことを考えた。

(ノブさんは、高校の頃の千香子さんを知ってんだよな……)

いいなぁ……


それから、お開きになり――――――

「二次会行く人〜」
と、社員達が盛り上がっている。

そんな中。
「ノブさん」
「んー?
虎徹も行く?二次会」

「あ、いや…
二人で飲まない?
奢るから」

「えー!やだぁー!
お持ち帰りされるなら、女の子がいいー(笑)」

「は?良いじゃん!」

「………はい、はい。わかりました!
じゃあ、俺と虎徹帰るね〜」

社員達に断り、虎徹と糸岩は反対方向に向かった。
「俺のダチがやってるバーでいい?」
糸岩がそう言い、虎徹は頷いた。


「―――――ん!お疲れ!」
糸岩の友人のバー。

カウンターに座り、糸岩が虎徹のグラスにカチンと当てて一口飲んだ。

「お疲れ」
虎徹も、一口飲む。

「で?何?
まぁ…どうせ、千香ちゃんのことだろ?
あのさ!
可愛いと思ってるが“ダチとして”好きなだけだからな?
ヤキモチ妬くなよ!うぜぇーよ、お前」
煙草を咥え、火をつけた糸岩。
面倒くさそうに言った。

「チゲーよ!
高校の頃の千香子さんの事、聞きたいなと思ったの!」

「高校?
千香ちゃんの事って?」

「いつから付き合ってたの?兄貴と」

「高一の夏」

「そうなんだ」


「ん」
スマホを取り出し、操作した糸岩。
ある写真を見せてきた。

「え?」

そこには………制服姿の徹治、千香子、糸岩の三人が笑顔で映っていた。

「俺達、いつも三人でいた。
これは、卒業式の写真」
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