〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
バーを出た二人。

「あれ〜?
ノブじゃね?」

突然、男性に声をかけられた。
「んー?
あーーー!ゴロだ!」

「久しぶりだな〜!
フッ…つか!ノブが黒髪だ!
ロン毛金髪はどうした?
ウケる〜!(笑)」

「うっせぇよ!(笑)
ゴロだって!スーツ着て、しかも髪もキリッとセットしやがって!(笑)」

「ハハハーッ!
確かにな!」

「ノブさん、この人は?」

「あー、高校ん時のダチ!
ゴロ!
ゴロ。こいつ、徹治の弟!」

「え!?
徹治の!?
マジで!?
た、確かに似てる?か!
へぇー!
でもなんで、徹治の弟と?
あ、つか!
徹治、死んだって聞いたんだが…
ノブ、知ってた?」

「あ、あぁ…
俺、最近聞いたんだ…」 

「そっか…
でさ!千香ちゃん、大丈夫かな?」

「あ、千香ちゃんは大丈夫だ!
こいつ…虎徹が支えてんだ!
だから今は、虎徹の女!」

「マジか!!?
そっか…良かった!
千香ちゃん、徹治に依存してただろ?
心配してたんだ…」


それから何故か、糸岩の高校の時の友人達が集まることになり、虎徹も行くことになった。

友人達は、口を揃えて徹治が亡くなったことを悲しみ、そしてみんな千香子の心配をしていた。

糸岩達の発言から、徹治と千香子がどれだけ友人達に愛されていたかがわかる。

少なくとも、虎徹にはこんな友人はいない。

「なぁ、弟ー!
千香ちゃんとの生活、どんな?」

「どんなって、幸せですよ」

「いいなぁ~!
千香ちゃん、可愛かったもんなぁ〜!
今でも可愛いの?」

「可愛いです」
「可愛い!」
虎徹と糸岩が順に答えた。

「つか、今から呼んでよ」

「は?」

「一緒住んでんだろ?
だったら、今一人じゃん!」
「あ!だったら、迎えに行こうぜ!」
「だな!暗いし、あぶねーからな!」

「はぁ!?
ダメに決まってんだろ!?
勝手に決めんな!!」

「良いじゃん、弟!」
「俺達の千香ちゃんを独り占めすんな、弟!」
「会わせろ、弟!」

「ノブ、千香ちゃんに電話してよ!」
ゴロが言う。

「OK〜!」

すると―――――――
ザン!!と風を切るような音がして、糸岩のスマホがカシャン…と落ちた。

「え……」


虎徹が糸岩のスマホを持った手を取り、手首を握りしめていた。
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