〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「あ…
スマホ、画面割れたじゃん…
虎徹、何してんの?」

糸岩が、虎徹を睨みつける。
その雰囲気は、黒く恐ろしく落ちていた。

「は?
お前が勝手に千香子さんに連絡しようとするからだろ?」

虎徹も恐ろしい雰囲気を醸し出し、睨みつけている。

「だからって、この手何?」

「は?連絡阻止」

「つか、いてぇよ。離せよ」

「だったら、勝手なことすんな」

「勝手?
なんで?
千香ちゃん呼ぶだけじゃん。
まさか、お前の許可必要とか?」

「当たり前。
千香子さんは“俺の女”なんだから」

「束縛は嫌われるぞ?」

「………」

「ガキみたいなこと言うなよ。
カッコわりぃ」

「………」

「…………はぁ…わかった。
連絡しねぇから、離して?」

不機嫌な表情(かお)のまま、糸岩の手を離す虎徹。
「…………ごめん、ノブさん…」
そしてポツリと呟くように言った。

「あーあ…見ろよ!
この痣!
虎徹、力強すぎ!」

「だって、その手折る気だったし」 

「……ったく…
あ!あと!スマホも!弁償しろよ?」

「…………わかった…」

シュンと落ち込んでいる虎徹の頭をポンポンと撫でた、糸岩。

ゴロ達に断りを入れ、虎徹の肩を叩き「帰るぞ」と言った。


「…………なんか、徹治そっくりだな(笑)」
虎徹と糸岩の去っていく方を見ながら、ポツリと言ったゴロ。

「あぁ…(笑)」
「徹治も、千香ちゃんに関してはガキみたいだったもんなぁ(笑)」

「でもよ。
あのカッコ良さ、ヤバくね?」

「あぁ!
ノブ以上だよな、あれ!」
「徹治もイケメンだったが、超えたな、あれ!」

「しかも徹治の弟って言えば、喧嘩もヤバかったんだよな?確か…」

「あぁ…“あの”徹治が、あいつは“ヤバい”っつってたもんな……!」

「たぶんだが、ノブの手首…」

「折れてるよな、あれ…」
「ノブの手首、あり得ない色してたもんな……」

「やっぱ、原藤兄弟は恐ろしいな………」

ゴロ達は、ブルッと寒気がして震えていた。



「―――――虎徹」

「ん?」 

「俺、病院寄って帰るから」

「は?
………………あ…」

「これ、骨いってるかも?」

「あぁ…ごめん。
ついてく。
治療費、払うから」

「いいって。
でも、スマホは払ってね〜
あ!最新機種ね!
欲しかったのがあったんだ〜
丁度良かった!」

「は?
中古で良くね?(笑)」

「やだよ。
明日、あけとけよ!
一緒に行こうね〜」


「は?キモッ…(笑)」

糸岩に微笑まれ、冗談っぽく笑う虎徹だった。
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