〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
夜が明けて、千香子が目を覚ます。

「ん…あれ?
虎徹…くん?」
ムクッと起き上がり、辺りを見回す。

「トイレかな?」
ベッドを下りて、寝室を出た。

トイレにいなくて、千香子は顔を洗ったりしてリビングに向かった。

「え……なん…で?」

ソファで寝ている虎徹を見て、千香子は固まっていた。


私と寝るの、そんなに嫌だったの………?

え?え?
何か、嫌われるようなことしたかな?

先に寝たから?
それとも……夜中に私何かしたとか?


嫌だ!
嫌だ!
嫌だ!

虎徹くんに嫌われたら、私……


あっという間に目が潤み、涙が溢れ出した。
身体は震え、息の仕方もわからなくなり肩で息をする。

すると、虎徹がモゾモゾと動き出した。

「んん…腰、いてぇ…」

二人用のソファ。
背の高い虎徹には、寝苦しい。

起き上がり、身体をコキッコキッと鳴らす。

そこに「虎徹く……」と、千香子の弱々しい声が聞こえてきた。


「……………え…?
千香子、さ…?
―――――千香子さん!!?」

千香子の状態に、驚愕し慌てて駆け寄る。

「………ならないで…?」

「え!?千香子さん!?」

「嫌いに…なら、な…いで……
悪いところ、直すから…」

「え?え?
なんで…そんなこと……
……………はっ…!?」
(俺が、拒否ったから…!?)

力が抜けたように膝を下り、うなだれる千香子。

「千香子さん!!?
違う!!
嫌いなんかならない!!
そんなの、あり得ない!!」

千香子を抱き締め、必死に言い聞かせた。

「ほんとに……?」

「うん、うん!
好き!好き!大好き!!
千香子さんが大好き!!」

「良かっ…た……」
そう呟くように言って、虎徹にしがみついた。

「ごめん、千香子さん。
ごめんね……!」



「――――――落ち着いた?」

ソファに座る千香子に、カップを渡す虎徹。

「あ…ありがとう」
虎徹も隣に座り、カップを口にした。

「ごめんね、千香子さん」

「ううん。もう、いいの。
でも、良かった…!」
ホッとしたように微笑んだ、千香子。

虎徹も微笑み、千香子の頬に触れた。

いくら千香子さんに甘えてきてほしかったとしても、もう二度とあんなことはやめよう……!

そう、誓うのだった。
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