〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
俺の自慢の千香子さん
「―――――カンパーイ!!」

今日は、虎徹の会社主催のBBQ。
そして家族や恋人なども連れて来ていいので、虎徹は千香子をつれて参加していた。

課長の音頭で、揃って乾杯する。

「皆さん、遠慮なく楽しんでくださいね〜!」


それぞれ、食べたり飲んだりし始める。
そんな中、社員達の興味は“千香子”だ。

「原藤くんの彼女さん、めっちゃ可愛い〜」
「まさに、お似合いって感じ!」

「彼がいつもお世話になってます!
今度とも、よろしくお願いします!」

ペコペコ頭を下げる千香子に、社員達も「こちらこそ!」と頭を下げる。

早々から、社員達の心を掴む千香子。

虎徹は感心しつつも、気が気じゃない。


「相変わらず、人気モンだなぁ〜」
糸岩が来て、意味深に笑った。

「あぁ…」

「彼氏としては、複雑?」

「あぁ…」
糸岩の言葉に、ため息混じりに返事する。



「まさに、美男美女ね!」
「羨ましい〜」

しばらくして………男女に分かれることになった。

「原藤くん、ベタ惚れだしね!」
そこに井野もいて、微笑み言ってきた。

「あ…」
(香水の…)

「あ、あの…
ごめんなさいね?」
意味深に千香子を見る、井野。

「え?」

「なんか、私のせいで喧嘩したんですよね?」

「え?
喧嘩というか……」

「誤解されてたら嫌なので、はっきり言いますね?
私、原藤くんのこと、男として意識してないですから!」

「へ?」

「私、彼氏が一番だし、その…彼氏とちょっとあって、原藤くんに相談には乗ってもらったり、ちょっとある事を協力してもらったりはしましたが、本当に相談に乗ってもらっただけです!」

「………」

井野の真っ直ぐな視線と言葉に、千香子は安心感を得る。
そして、微笑み言った。

「ありがとうございます!
はっきり言ってくれて!
おかげで、なんだか…スッキリしました!」

「良かった!」

「実は、モヤモヤしてて…
井野さんと虎徹くんが二人でいる所を見かけた事があったんです…」

「あ…そうなんですね…
すみません!」

「いえいえ!
今日、はっきりしたので大丈夫です!」

安心させるように微笑むと、井野が「原藤くんの言う通り…」と呟いた。

「え?」

「原藤くん、言ってたんです。
“千香子さんって、いつも輪の中心にいるアイドルみたいな女”って。
原藤くんは容姿が褒められても“中身はカラッポ”って言ってて。
だから出逢った時から“俺の憧れ”って言ってました。
今話してて、私も千香子さんと仲良くなりたいって思ったんです。
上手く言えないけど、心を掴まれた感じがして!」
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