〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
チラッと、手帳の中が見える。
他にも沢山のメモが書かれていた。

虎徹、糸岩、行橋の三人は、たまたま中が少しだけ見えてしまう。

○月△日
今日のこてつくんの寝起き、可愛かった!
髪の毛が、ピン!って跳ねてた(笑)
でも、どうしてかなー?
それでも、カッコいいんだよなぁ〜
もう、カッコいいの天才だな!

○月△日
今日はこてつくんが、カレーを作ってくれた!
ちょっと辛かったけど、美味しかったな。
作ってる姿も、カッコ良かったし!

○月△日
あーもぅ、こてつくんってなんであんなカッコいいのー
今日も、○○の店員の女の子達が注目してた。

毎日、日記が書かれていた。
しかも全て、虎徹に関することだ。


「――――――あ!見ないで!」
バッと、手帳を閉じて隠される。

「……/////」

「あ、ごめんね!」
「千香ちゃん、ほんと虎徹のことが好きなんだね!」

「え?あ…//////」
照れて、顔を逸らされた。
そして「トイレに行ってくる」と、パタパタと逃げるように去っていった。

「愛されてんね〜!虎徹」
「ほんと、羨ましい!」

「まぁな!」
千香子が去った方を見つめながら、虎徹は嬉しそうに笑った。


千香子がトイレから出ると、虎徹が待っていた。
「おかえり!」
「あ…うん/////」

「ねぇ、千香子さん」

「ん?」

「すぐそこに、景色が綺麗な所があるんだ!
行かない?」

「え?でも……」

「ノブさん達には、ちゃんと言ってきたから!」

千香子が頷くと、虎徹が手を差し出した。
その手を握ると、指を絡めて手を引いた。

少し登ると柵があり、そこから空が見渡せた。

「わぁ〜!凄いね〜!」
「なんか迫力があるな!」

「綺麗〜」
「だな!風も、気持ちいい!」
柔らかい風が、二人を包み込む。

「あ、そうだ!
井野さんと話したの」

「え?あ…」

「はっきり、虎徹くんのことは“ただの同僚”って話してくれた!」

「そっか…!」

「ほんとはね。
どこかで、虎徹くんの言葉信じてなかった。
不安だった……
でも、井野さんの真っ直ぐではっきりした言葉を聞いて、ちゃんと安心できたの!」

「うん」


「……………好きなの、虎徹くん」

「うん、俺も大好き!」

「虎徹くんに、どのくらい私の想いが伝わってるかわからないけど、それよりも何倍も好き!
きっと…私の虎徹くんへの想いを形にしたら、ひくと思う!
そのくらい好き!」

「うん、ありがと!」


(でも、千香子さん。
きっと…それは、俺の想いには敵わないよ?)

そんな思いで、虎徹は千香子を抱き締めた。
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