〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「――――――すんません!
面接に来た、長谷(はせ)です!」

虎徹とぶつかった男性が、たまたま近くにいた千香子に声をかける。

「あ、はい!こんにちは!
こちらへどうぞ?」

「はい!」
緊張していた長谷。
柔らかく微笑む千香子に、長谷も癒やされたように微笑んだ。



その日の夜。
仕事を終え、虎徹が帰ってくる。

「―――――ただいま〜」
声をかけながら中に入る、虎徹。

千香子は、ソファに座り電話をしていた。
虎徹の存在に気づくと、嬉しそうに笑って「天ちゃん、虎徹くん帰ってきたから!」と言い、通話を切った。

スマホをテーブルに置いた千香子は、虎徹に近づく。
「おかえり!」
そして見上げて言った。

「んー、千香子さーん!疲れたぁ〜」
千香子を抱き締め、頬を擦り寄せる。
千香子も「お疲れ様!」と言いながら、ゆっくり頭を撫でた。

そしてしばらく頬を擦り寄せていた虎徹が、ふと気付いたように千香子に向き直る。
「千香子さん、風呂入ったの?
シャンプーの匂いがする」

「え?うん」

「えー!なんで、入るのー?」

「え?え?だ、ダメだった!?」

「うん」

「ご、ごめんね!
虎徹くん、仕事頑張ってるのに先に入るの失礼だったよね…」

「は?違うよ?
一緒に入りたかったから!」 

「へ?」

「当たり前だろ?
今日、飯一緒に食えなかったし…」

「あ…ごめんね」

「ううん。
まぁ、俺が残業したのが原因だし」

「虎徹くんも入っておいでよ! 
それで、またギュッてしよ?」

見上げて言う千香子の姿に、虎徹の心臓は痛い程に高鳴る。
「……/////」
(可愛すぎだろ!これ//////)

「虎徹くん?
あ、疲れてるからダメ…か、な…?
もし寝るのも別々がいいなら、私がソファに寝るからね!
虎徹くんは、身体痛くなるだろうし」
虎徹が何も答えないので、不安になり窺うように言う千香子。
 
「違う!
違うよ?
疲れてはいるけど、別々に寝ないし、ギュッてするよ!」

「ほんと?
良かったぁ〜」

安心したように微笑む千香子を見ながら(ほんと可愛すぎだろ…!)と見惚れていた。


虎徹が風呂に入り、ベッドに横になった二人。
いつものように、虎徹が千香子を包み込むように抱き締める。

「幸せ…」

千香子が呟くと、虎徹も「うん!俺も!」と言って、更に頬を擦り寄せた。
そして口唇を寄せて「千香子さん、キス」と言って、二人は何度も啄むキスを繰り返した。
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