〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
なんとなく寝れなくて、二人はベッドの中で話をしていた。

「あ、私ね。
最近、指導係をよく頼まれてて」

「そうなんだ。
あの…アオテツとか言う奴は?
そいつを指導中だろ?」

「アオテツくんは、今はもう一人立ちしてるよ?
まぁほら、指導係って言っても最初に教えるってだけだから、そんなに大変じゃないんだけどね(笑)」

「そうかな?
指導係を頼まれるってことは、シュトさんに頼りにされてるってことだろ?」

「そうかな〜?
ほら、天ちゃんやフジチカくん、ナリカワくんはみんな忙しいから、しかたなくじゃないのかな…」

「それにしたって、頼りないなら頼まないと思う」

「そうか…そうだよね!
じゃあ、自信持っていいよね?」

「あぁ!
自信持てよ!」

「うん!
あ、それでね!今日面接に来た男の人のことも頼みたいってシュトくんに言われたの!」

「男?
…………また男かよ…」

「ん?」
ボソッと呟いた虎徹の言葉が聞き取れなくて、顔を近づける千香子。

すると、奪うようにキスされた。

「んんっ…!
………んはぁ…虎徹く…何、急に…//////」

「ううん!
キス、したかったから」

「……??」


気になる―――――――
千香子さんが指導するという男のことが。

どんな奴?
カッコいい?
優しい?

千香子にその話を聞いてから一週間。
ずっとそのことが気になって、仕事に身が入らない。

するとそこに「じゃあ…○○(千香子の勤めるショップ)行ってくるから」と糸岩の声が聞こえてきた。

「は?
ノブさん!」

「え?」

「俺も行く!」

「は?」

「千香子さんとこ行くんだろ?」

「あぁ。パーカーの試作が出来たらしくてな」

「だったら、俺も―――――」
「はぁ…虎徹」

「なんだよ」
「公私混同しすぎ!お前」

「………」

「もちろん勤務の仕方は自由だし、お前が千香ちゃん中心に仕事してるのも知ってる。
だから、俺に口出す権利ねぇけど…
ちょっと、目に余るぞ?」

「………」

「何より、千香ちゃんの仕事の邪魔になる」

“公私混同して、仕事どころじゃなくなる”

「――――!!?」

この言葉に諭され、虎徹は「ごめん…」と静かに席についた。
そしてやっと、仕事に身が入ったのだった。


そして糸岩も虎徹の肩を叩き、会社を出た。
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