〜ずっと好きだよ~俺と彼女の溺愛生活
「――――すみません!
店長さんいますか?」

糸岩がショップにつき、近くにいた店員に声をかける。
首東がパーカーを手に持って現れた。

「こんな感じ……でどうですか?」

「へぇー!
いいですね〜!」

「男女兼用で、サイズは全体的に大き目で設定してます。
天胡ちゃん曰く、女性はダボッと着る人が多いとかで。
あと何にでも合わせやすい色でとの事で、三色くらいでしてますがいいですか?」

「はい!
普段使いできるようにもしたいので!
あまり目立たない方がいいです。
ちょっと、写真撮ってもいいですか?」

「もちろん!」

糸岩がパーカーの写真を細かく取り、会社に送った。

しばらくすると「OKでーす!」という、返信が来た。
糸岩は「じゃあ…これでお願いします!」と言い、ショップを出ようとする。

丁度そこに、千香子が長谷と一緒に何処かから戻ってきたところに出くわした。

「あれ?ノブくん!」
微笑み、見上げた千香子。
隣りにいる長谷が軽く頭を下げてくる。

「お疲れ!」
「パーカー?」

「うん。
今、最終確認と注文にね!」

「そっか!
大量注文、ありがとうございます!」

ペコッと頭を下げてくる千香子に、糸岩も微笑み「どういたしまして!」と頭を下げた。

「千香ちゃん、誰?」
糸岩が、長谷を見ながら言う。

「あー、長谷くんだよ。
新しい社員さんで、今指導中なの!」

「へぇー!
どうも!」 

「こんにちは」

「虎徹、また嫉妬してんじゃない?(笑)」
意味深に言うと、千香子は「え?でも…仕事だし…」と困ったように言った。

「虎徹?」
そして、糸岩の言葉に長谷は目を見開いて反応する。

「「え?」」
千香子と糸岩が、長谷を同時に見る。

「虎徹って……
原藤 虎徹って奴……じゃない…ですよ、ね?」
窺うような、でも…どこか期待を込めたように言ってきた長谷。

「え……」
「君、虎徹のこと知ってんの!?」

「え……じゃ、じゃあ…やっぱりコテのこと!?」

「コテ?」

「あ、あぁ。
俺、中学と高校の時、虎徹とツルンでて。
一番仲が良くて、いつも一緒にいたんです!
親友であって、悪友…みたいな!
虎徹のこと、俺は“コテ”って呼んでたので」

「じゃあ、○○高校ですか?」

「はい!
てことは、モリチカさんはコテの女なんですか?」

「はい。
しかも、こちらの糸岩さんは虎徹くんのお兄さんの友達です」


思いがけない出会いに、千香子達は驚いていた。

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